福西崇史の「考えるサッカー」BACK NUMBER
「世代交代ではなく健全な競争」
サウジ戦、福西崇史はどこを見た?
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph byNaoya Sanuki
posted2016/11/16 12:00
最終予選で4試合連続得点を記録した原口。守備面でも大きな役割を果たし、ハリルJを蘇らせた。
最終予選の折り返し……状況が楽になったわけではない。
さて日本がサウジに2-1で勝利し、その後行われたタイvs.オーストラリアが2-2のドローに終わった。この結果、日本はグループ2位で前半戦を折り返すことになりました。ただ、これで後半戦が楽に戦えるという保証はない。それは日程を見れば明らかですよね。
<W杯最終予選:日本の後半戦日程>
3月23日:UAE戦(アウェー)
3月28日:タイ戦(ホーム)
6月13日:イラク戦(アウェー)
8月31日:オーストラリア戦(ホーム)
9月5日:サウジアラビア戦(アウェー)
中東3カ国とはすべてアウェー、そして最後の2試合でオーストラリア戦とサウジアラビア戦を残している。
それだけに3月のUAE、タイ戦ではしっかりと勝点を積み上げなければならない。そのためには守備面で指摘した試合運びの部分でまだまだ改善すべきところです。
さっきも話した通りサウジ戦は追加点も取れて、とてもいい流れでした。でも最後に相手が得点を取りに来たところでドタバタしてしまい、1点差に詰め寄られました。こうやって押し込まれてしまうケースが一番怖い。
実際、日本戦の後に行われたタイvs.オーストラリアは2-2のドローで、4得点中3点がPKだったそうです。アジアの戦いではこういった予想外のケースも起こるだけに、細かな部分を詰めて集中力を切らさないこと。いいイメージは共有しながらも、サウジ戦の終盤を教訓にして2017年の戦いへと臨んでほしいと思います。
(構成:茂野聡士)