ドイツサッカーの裏の裏……って表だ!BACK NUMBER
嗅覚と正直の男、クローゼが引退。
代表71ゴールは全てエリア内から。
text by
遠藤孝輔Kosuke Endo
photograph byAFLO
posted2016/11/08 11:30
日韓W杯での5得点でブレイクしたので、日本でもクローゼは馴染み深い。得点感覚、という言葉の権化のような選手だった。
本人も現役に未練を残していたが、遂に決断。
まもなく冬が訪れるこの時期にスパイクを置く決断を下したのも、今夏のラツィオ退団以降、クローゼ自身が現役に未練を残していたからだ。だが、ようやく進路は定まった。新たに見据えているのは指導者としての大成だ。まずはドイツ代表でコーチング研修を積み、監督ライセンスの取得を目指すことになる。
ドイツは今、優秀な点取り屋不足という問題に直面している。EURO2016準決勝のフランス戦では数多くの好機を作りながら、決定力不足に泣かされた末の敗戦を喫した。ゴールを奪う術を知り尽くした“指導者”クローゼへの期待が、日に日に強まるのは間違いない。
「名選手、名監督にあらず」
クローゼには格言めいたこの定説を覆してもらいたい。