“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
「日本は激しくプレスすれば……」
アジアの対策にU-16も屈した現実。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byAFLO
posted2016/10/05 11:00
このチームが見せた攻撃力は圧倒的だった。ただ“上手くいかない時間帯”をやり過ごす力が足りないのは、日本の全世代に共通する課題にも映る。
今月開幕のU-19選手権で日本は中東勢と対戦する。
それは何も育成年代だけでは無い。大学サッカー、Jリーグ、日本代表においてもそれは当てはまる。本田圭佑や長友佑都ら日本を牽引する選手達が「個の成長が重要」と事あるごとに異口同音するように、どのカテゴリーでも策だけでは限界がある。
激しさと強さ、そして上手さを持った相手とタフなゲームを積み重ねなくして、選手個々の成長は無い。
奇しくもA代表は6日にロシアW杯を懸けたアジア最終予選でイラクと戦う。さらに14日に開幕するAFC U-19選手権(U-20W杯アジア最終予選)に挑むU-19日本代表も、グループリーグでイエメン、イラン、カタールと中東勢のチームと戦うこととなっている。
弟分がU-19、A代表に鳴らしたこの警鐘を、しっかりと受け止めて決戦に挑まないといけない。それは日本のサポーター、関係者も同じだ。
もう日本は“アジアの盟主”ではない。
「日本、恐るるに足らず」――。
こう思っているアジアの国は、我々が思っている以上に多く、それが大きな脅威となっていることに、いい加減気付かなければならない。