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独走カブスと勝率6割5分。
メジャー30球団最高の先発投手陣。 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2016/09/17 08:00

独走カブスと勝率6割5分。メジャー30球団最高の先発投手陣。<Number Web> photograph by Getty Images

カイル・ヘンドリックスの年俸は約5500万円。来年の新契約で数倍にふくれあがることは間違いない。

ホームでは防御率1.21というアンタッチャブルぶり。

 彼のチェンジアップは、フェード系とカット系に大別できる。左打者に対した場合、フェード系は打者から逃げるように外へ消えていく。一方のカット系は、打者の手もとに鋭く食い込むような変化を見せる。後者はカッターと分類されてもおかしくない。あとはカーヴとツーシーム。

 この変化球を武器に、ヘンドリックスは全30球団中1位の防御率を記録している。とくにオールスター以降は、10試合に先発して7勝1敗、防御率1.36という好成績だ。さらにホームゲームに限ると、今季は13試合に先発して9勝1敗、防御率1.21。ほぼアンタッチャブルといっても過言ではない。

 かくてヘンドリックスは、カブス驀進の原動力となった。実際、100戦目を過ぎてからのカブスの加速には眼を見張らされる。6月下旬から7月上旬にかけての不調が嘘だったかのように、最近42試合は31勝11敗(勝率7割3分8厘)。このペースを維持できれば、今季の勝ち星は105~106勝に届くかもしれない。

6割5分を越えると、ワールドシリーズ制覇も近づく。

 仮に106勝をあげれば、年間勝率も6割5分を超える。レギュラーシーズンの年間試合数が162になってからというもの、6割5分以上の勝率を残したチームは、そういくつもない。

2001年のマリナーズ(116勝)
1998年のヤンキース(114勝)
1961年のヤンキース(109勝)
1969年のオリオールズ(109勝)
1970年のオリオールズ(108勝)
1975年のレッズ(108勝)
1986年のメッツ(108勝)
1998年のブレーヴス(106勝)

 ざっとこんなところだが、このなかでワールドシリーズ制覇を逃したのは、'01年のマリナーズ、'69年のオリオールズ、'98年のブレーヴスだけだ。逆にいうと、6割5分のラインに到達すれば、ワールドシリーズ制覇の可能性はかなり高まる(ワイルドカードが採用されてからは波乱要因も増えたが)。カブスは果たして、1908年以来のシリーズ制覇を実現できるのだろうか。他球団の動向もふくめて、これから1カ月半は眼の離せない日々がつづきそうだ。

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