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ハリルホジッチのEURO決勝展望。
「フランスが負ければサプライズだ」 

text by

田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2016/07/10 09:00

ハリルホジッチのEURO決勝展望。「フランスが負ければサプライズだ」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

開催国フランスは、W杯王者ドイツを破って決勝に進出した。優勝すればジダンに率いられた2000年のチーム以来の戴冠となる。

フランスはとても実践的なチームだ。

 他方、フランスはとても実践的なチームだ。毎試合のように、しかも試合中にもシステムが変わり、相手に効果的に対応することで決勝まで勝ちあがった。特に準々決勝のアイスランド戦と準決勝のドイツ戦は、この2年間一度も試したことのないシステムで臨み、それが見事に成功した。当初はチャンピオンズリーグ決勝の敗戦とPK失敗というダメージを引きずっていたグリエスマンが、しり上がりに調子をあげていることも大きい。

 決勝は、もしもフランスが勝たなかったら大きなサプライズだ。しかしポルトガルも決して侮れない。どんなゲームプランを採用するのかわからないが、フランスはしばしば相手にプレーの余地を与えて、何かをさせてしまう。ポルトガルも同じで、力の大半は守備に注いで、ロナウドというただ1人の選手が違いを作り出す。彼にはそれだけの力がある。たった1試合ではそれがさらに顕著で、ひとつのクロスやひとつのコーナーキックで得点できる。だからこそ警戒を怠れない。

フランスはポルトガルにほとんど負けていない。

 フランスは積極的にプレーを構築するべきだ。またボールをアグレッシブに奪いに行き、ブロックを高く構えて相手にプレッシャーを与えながらボールを奪う。ドイツ戦でも高い位置からプレスにいったとたんに2点目が生まれた。奪ったボールがゴールに直結したのだ。

 もちろん別のやり方でのゴールもある。しかし組織的でコレクティブなプレスをかけるようなれば、それは私にとって嬉しい驚きだ。ポルトガルが相手なら、積極的に仕掛けるべきだし、できるだけ高い位置から攻撃を始めるべきだ。

 たしかにフランスは、ワールドカップやEUROなどの大きな大会でポルトガルにほとんど負けていない。だが、1958年以来ずっと勝てなかったドイツを、準決勝でついに破った。つまり時代は変わる。同じことが決勝でポルトガルに起こらないとも限らない。

 だからこそポルトガルを侮ってはいけない。ポルトガルにも十分にチャンスはある。たとえ絶対的に有利と言われていても、戦う前から勝利が決まっているわけではない。ひとつの試合では、あらゆることが起こり得る。

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EURO2016の決勝フランス対ポルトガル戦は7月10日(日)の28時キックオフ。WOWOW(www.wowow.co.jp/sports/euro/)では決勝戦のゲスト解説にハリルホジッチ監督を迎え、生中継します。

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