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「超高校級」の出現は6~8年周期!?
筆頭は清宮幸太郎、そしてもう1人。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byHideki Sugiyama

posted2016/07/08 11:30

「超高校級」の出現は6~8年周期!?筆頭は清宮幸太郎、そしてもう1人。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

清宮を擁する早稲田実業は2015年夏ベスト4。この夏もフィーバーが見られるか。

サニブラウンに勝った経験もある佐野日大・五十幡。

 清宮以外の打者で注目するのは五十幡亮汰(佐野日大・遊撃手)、細川成也(明秀学園日立・外野手)、村田雄大(横浜・外野手)、林中勇輝(敦賀気比・内野手)、岡田悠希(龍谷大平安2年・外野手)、永廣知紀(大阪桐蔭・二塁手)、高垣鋭次(智弁和歌山・遊撃手)たちだ。

 その中でも注目するのは五十幡で、中学時代にはシニアリーグの硬式野球と並行して陸上競技を掛け持ち、全国大会の100m、200mでサニブラウン・ハキームを破った男として知られている。サニブラウンを破ったあとに行われた日本リトルシニア・日本選手権では、三河安城戦の第2打席のバントで一塁到達3.68秒、第3打席の三塁打で(三塁到達)11.20秒を記録して驚愕させられた。

 私が俊足の目安にしているのは「打者の走者の一塁到達4.3秒未満、二塁到達8.3秒未満、三塁到達12秒未満」である。それを中学3年生が軽々と超えていく。さらに決勝の世田谷西戦では第1打席の二塁ゴロで4.01秒、第2打席の二塁打で(二塁到達)8.06秒、第3打席の三塁打で10.76秒というとんでもない記録を叩き出した。10.76秒は昨年夏、オコエ瑠偉(関東一→楽天)が10.75秒を記録するまで、私が計測した中でプロも含めた最高記録である。

足だけでなく肩も超高校級!

 足の速さだけを取り上げられることが多いが、外野からの強肩はチームの監督が太鼓判を押すほどで、右投左打のバッティングにも見どころがあった。ちなみに五十幡が所属していた東京神宮の監督は丸山完二、コーチは三橋豊夫、青木実、川畑盛幸、水谷新太郎各氏で、全員元ヤクルトの選手だ。プロの目で見て、五十幡の肩と足は超高校級と評価されていたのである。

 現在は佐野日大に進み、4月下旬の栃木大会では2回戦で作新学院に5回コールド負けを喫したが、五十幡の俊足は健在で、守備位置はそれまでの外野手から遊撃手に変わっていた。試合後に話を聞くと、太れない(173センチ、62キロ)と下を向いたが、持ち味のスピードが体重増や筋力アップで損なわれるのではないかという恐れがどこかにあるのだと思う。いずれにしても清宮の長打と五十幡の俊足は5、6年に1人と言っても過言でないほど貴重なもので、それを甲子園の大舞台で見たいというのが私の希望である。

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