ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
いま、Jr.ヘビー級が世界的ブーム!
原点は獣神サンダー・ライガーに。
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byEssei Hara
posted2016/05/18 10:40
KUSHIDAは中学から高田道場に入門し、大学時代は東スポでアルバイトしていたまさに「ド真ん中」のプロレスラーだ。
今回の日米関係は、提携ではなく競争相手。
この夏、起ころうとしているジュニアヘビー級のムーブメントは、'90年代のそれと非常によく似ている。新日本を中心に展開されていたレベルの高い闘いが海をわたるのは、まさに'96年のWCWクルーザー級王座制定を思わせるし、団体を問わず世界中から新たな才能を集結させるというWWEクルーザー級クラシックのコンセプトは、『スーパーJ-CUP』の立ち上げ時そのままだ。
ひとつ、当時の日米関係と違うのは、'90年代は新日本とWCWが提携関係にあったのに対し、現在の新日本とWWEは世界市場で競い合うライバルであるということ。
今年の『ベスト・オブ・ザ・スーパー・ジュニア』&『スーパーJ-CUP』とWWEの『クルーザー級クラシック』は必ず比較されるだろう。
新日ジュニアのエースKUSHIDAは、大国WWEとも勝負しながら、日本のジュニアシーンを牽引するという、極めて重要な立場にある。KUSHIDAにとってライガーとの防衛戦とは、ジュニアのリーダーの座を受け継ぎ、退路を断つ、決意と覚悟の一戦であったのだ。
KUSHIDAたち新世代が作り出す、新たなジュニアヘビー級の世界的ムーブメント。これは見逃すわけにはいかないだろう。