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安打は減っても、実は出塁率は向上。
秋山翔吾が目指す「1番打者」の姿。 

text by

氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2016/05/05 08:00

安打は減っても、実は出塁率は向上。秋山翔吾が目指す「1番打者」の姿。<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

昨年首位打者を争った柳田とともに、秋山の調子も上がりきらずにいる。この徹底マークも、一流打者の宿命だ。

バットマンとしての“次のステージ”がある。

 しかし実は、最近になっても三振の数が減る様子は見えてきていない。

 29、30日の2日間だけでも、秋山は5三振を喫した。

 昨季の3、4月の三振数が9個で、今季の3、4月は25個だから、四球を増やしたことの「副作用」もかなり出てきている。

 当然、秋山はそのことを理解している。

「三振を減らして前に飛ばす数を増やすだけだったら、早いカウントからいった方がいいと思います。無理にでも打ちに行けばいい。でも今の自分は、それが許されるポジションじゃない。塁に出ることに加えて、相手投手に球数を投げさせること、先頭で打席に入って、相手の投球をチームに伝える役割もある。次のバッターに、初球から狙いやすい情報を多く与える役割の果たし方もあると思っています。その取り組みの中で、三振も減っていけばいい。四球に関しても、結果的に四球になる“結果四球”ではなく、打てるボールを逃さず打っていたか、準備ができていたのかが大事。その過程を大事にして打席に入りたいです」

 昨年は、全力でヒットを打ちにいったシーズンだった。その結果があの大記録達成へとつながった。

 そして今季、シーズン最多安打記録の男はバットマンとしての次のステージを進むべく、新たな戦いに入っている。

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