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派手に喜ぶ選手と、落ち着く長谷部。
多様性こそがブンデス残留を導く?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2016/04/26 10:40
ブンデスリーガでの出場は200試合を越え、残留争いの末の残留も降格も経験した。長谷部誠ほど土壇場で頼りになる男はそういない。
勝ち点差を詰め、自力残留の可能性が復活した。
リーグの第31節の全日程を終えて残りは3試合。現在の順位は以下のとおりだ。
11位 ハンブルガーSV 勝ち点37
12位 アウクスブルク 勝ち点36
13位 ダルムシュタット 勝ち点35
14位 ホッフェンハイム 勝ち点34
15位 シュツットガルト 勝ち点33
16位 ブレーメン 勝ち点31
17位 フランクフルト 勝ち点30
18位 ハノーファー(降格決定) 勝ち点22
フランクフルトは、シーズン最終戦にブレーメンとの直接対決を控えるため、自力で自動降格圏を回避することも可能となった。
繋がらないビルドアップ、決まらないゴール。
もっとも、フランクフルトはいまだに多くの課題を抱えている。
最近は公開練習でチームを2つにわけてビルドアップの練習をすることが多いが、試合では守備的なポジションの選手が相手のプレッシャーを怖がり、ボールをキーパーに戻し、そこから大きく蹴りだしてしまう場面が少なくなかった。
もちろん、長谷部も危機感を覚えている。
「改善していかないといけないところだと思います。ゴールキーパーにボールを返しても、結局そこからロングボールになってしまうので。無理にでも、サイドバックやセンターバックからくさびのボールとか、裏へのボールを入れていくようにしないといけない」
最大の問題は、慢性的な得点力不足だ。マインツに勝つまでの5試合では、わずか1ゴールしか決められていなかった。
昨シーズンリーグ得点王に輝き、サポーターから「サッカーの神様」とあがめられるFWマイアーは膝のリハビリに向き合う日々。早ければ今週中にトレーニングルームを出てグラウンドを走る予定だが、シーズン最終節に間に合うかどうかも定かではない。
『キッカー』誌が集計する決定力ランキングによれば、30節終了時点でフランクフルトの決定機の数は134回あったが、そのうち決めたのは29ゴール。決定率は21.6%で、リーグで下から2番目の成績に終わっている。