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9得点よりもスタイルの片鱗が衝撃!
城福体制のFC東京が覆した懐疑論。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2016/02/10 18:10
守備的な戦い方を選択した昨季の積み上げは、城福体制の礎として確かに機能している。
歓声に応えるのは、優勝を果たした時?
「アクションフットボール」を掲げてはいても、リアクションの守備に特化した前任者のスタイルを否定するのではなく、大事にしながらそこに上乗せしていくイメージだろうか。あるものを全部壊してイチからチームを作り直す必要もなければ、その時間もない。すべては今シーズン、悲願のリーグタイトルを手にするためだ。
チョンブリFC戦では、いくらゴールを重ねても、彼特有の反り返るようなガッツポーズは見せなかった。
サポーターから送られた「城福トーキョー」コールに対しても、お辞儀することも拍手で応えることもしなかった。
すべてはリーグ優勝を果たしてから――。そこには、そんな無言のメッセージが感じ取れた。