プロ野球亭日乗BACK NUMBER
ソフトバンクとヤクルトの「差」は?
相手を見て“変わり身”を見せる力。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki
posted2015/10/26 14:00
ソフトバンク初戦の先発武田翔太は2失点完投。カーブを見せてストレートで勝負した。
神宮では勝率6割6分7厘と強いヤクルトだが……。
もちろん基本的には、バンデンハークの内容が良すぎたというのがある。ただ、真っ直ぐを意識しているところで、カーブを巧みに使われて対応が遅くなった。この試合でも、相手投手が対戦しながらどんどん変化していくのについていけない。
そこがこのシリーズで、ヤクルト打線が露呈した一番の不安点だったのである。
予想通りにソフトバンクが強さを見せて2連勝となったシリーズ。26日の移動日をはさんで27日からはヤクルトの本拠地・神宮球場に場所を移しての戦いを迎える。
ヤクルトはレギュラーシーズンでの本拠地成績は67試合で44勝22敗1分。勝率6割6分7厘と絶対的な強さを誇る。
加えて神宮球場は昨オフに人工芝を張り替えて、同時にマウンドも固めのメジャー仕様になっている。シーズン中から他チームの投手が「これまでとまったく感じが違う」と苦労しているこのマウンドもソフトバンク投手陣は初体験となる。
ヤクルトに地の利はあるということだ。
その地の利を生かして逆襲に転ずるためにも、あとは打線がどれだけ試合の中で相手のイメージを早くつかんで変わり身を見せられるかである。
「2連敗したけど真中監督はいつも『前向きにやろう』と言っている。その言葉通りに前向きにやるしかない」
山田の決意だ。
第3戦のソフトバンク先発予想は中田賢一。中日時代に対戦経験は豊富で、変化への手がかりは持っている。
ヤクルト打線が本来の力を取り戻すきっかけはそこにある。