月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
プチ鹿島、9月のスポーツ新聞世相。
MVPは桐谷美玲(元ラグビー部マネ)。
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byGetty Images
posted2015/09/29 10:45
南ア戦は地上波テレビでの生中継がされなかったという、不思議な一戦としても記憶された。
三木谷オーナーの“昭和な匂い”。
そのヤクルトの原動力である山田哲人。
日刊スポーツは山田に関する見出しに夢中だった。7月の時点で「ヤマ~ダ元気!!」ときて、巨人とのマッチレースになった9月27日付では「毎日ヤマダ!!」。スポーツ紙の見出し的にはMVPはもうヤマダ!
優勝争いが佳境になると、下位チームがストーブリーグに突入するのもこの時期。その先陣を切ったのが楽天。
8月の田代富雄打撃コーチの退団時に「三木谷オーナーの現場介入」がクローズアップされた。伝えられた内容はオーナーがスタメンや打順にも口を出すという衝撃的なもの。
私は三木谷オーナーの現場介入の是非を問う前に「野球でさえこうなのだから本業ではどれぐらいワンマンでエネルギッシュなのか」と妙な感心をしてしまった。
考えてみれば球界再編騒動のとき、最初はライブドアの堀江貴文氏の野球界参入が注目された。しかし球界のオーナーたちが声をかけたのが三木谷氏だった。今にして思えば、昔ながらのオーナーたちは「同じ昭和な匂い」を三木谷氏に感じていたのかもしれない。
さてその楽天だが、スポニチは8月30日付で「楽天衝撃!! 就任1年で大久保監督辞意。監督後任浮上 梨田氏 与田氏」。このあと各紙いろんな後任候補が出たが、どうやらこの日のスポニチ梨田説が有力?
東スポが落合GMについて取材したのは……。
もうひとつ注目のゴシップは中日ドラゴンズの「落合GM&白井オーナーの最強タッグにひび割れか」(夕刊フジ・ZAKZAK9月25日)である。
最近どうも夕刊紙やタブロイド紙でよく書かれるのがこの噂なのだ。まず中日・谷繁元信監督と落合博満GMの関係が取りざたされたのだが、ここにきて「落合GMと谷繁監督の確執というよりも、白井オーナーとGMの蜜月関係のひび割れだ」という論調になっている。
そんななか、東スポは落合GMの「参謀」としても名高い森繁和ヘッドコーチに直撃した。