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谷繁元信、史上初の3018試合出場。
捕手失格寸前で気づいた“自分の形”。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/08/04 10:40
1989年のデビュー以来、2014年までシーズンの半分以上の試合に出続けている谷繁元信。2000本安打も達成し、まさに「継続は力なり」を体現する捕手だ。
「みなさんが評価してくれることですから」
2002年にFAで中日に移籍してからも絶対的な正捕手として、谷繁はチームを4度のリーグ制覇と1度の日本一に導いた。
これまでゴールデングラブ賞6回にベストナイン1回。名実ともに「球界を代表する捕手」と呼ばれ、他球団からは「存在するだけで脅威」と畏怖の念を与える選手となった。
「そういうのは、みなさんが評価してくれることですから」
出場試合記録を塗り替えても同じことを述べていたように、谷繁は自分の実績について言及することはない。
なぜなら、彼は監督兼任とはいえ、今でも現役のプロ野球選手であり、キャリアとスキルを積み重ねている最中だから。
歩み続けている以上、自分を評価する暇などないのだ。