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福西崇史が語る、なでしこジャパン、
ワールドカップ準優勝の価値。
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph bySports Graphic Number
posted2015/07/24 16:00
「福西崇史の『考えるサッカー』」、配信は毎週月曜日の予定です。
予選と比べて決勝は明らかに試合内容が良くなっていた。
――さっき、ここ最近の国際大会の成績を挙げましたが、ワールドカップ前のなでしこは結果が出ずに苦しんだ時期もありました。それがいざ本番になって、準決勝までの6試合すべてで1点差勝利で勝ち切ってきました。
福西:予選リーグの3試合と、決勝トーナメントに入っての戦い方は、同じ1点差でも明らかに内容が良くなっていたな。個人的には予選リーグのままの調子だったら、ここまでの成績は残らなかったと思ってる。ただ、3連勝して1位通過できたことでメンタル的に余裕もできたのか、ラウンド16から準決勝までの試合の運び方はとても安定していた。
――ベストではなかったとはいえ、結果を出すことで……。
福西:現時点の自分たちに合った戦い方を見つけられたのが大きかったんだと思う。チームがポジティブな方向に進んでいったよね。
――確かにラウンド16のオランダ戦、準々決勝のオーストラリア戦では、まるで別のチームを見ているようでした。
雰囲気作りまで意識した佐々木監督のマネジメント。
福西:予選リーグの時点では、考えられなかったくらい良くなった。正直に言うけど予選リーグの時は「ミスが多いなあ」と感じていたし。3試合とも先制点を奪ったとはいえ、その後は攻めるのか守るのかチーム全体でぼんやりとしちゃって相手に押し込まれる時間帯もあった。もちろん、“良くない中でも勝った”ことで選手たちが気を引き締めたのは間違いないし、コンディショニングでも決勝トーナメントにピークに合わせていただろうからね。
――確かに、動きが明らかにスムーズになっていた。
福西:大会期間中の成長力と修正力が高いのは、なでしこが「勝てるチーム」の理由のひとつだよ。
――安藤こそ初戦・スイス戦でのGKとの衝突で代表離脱してしまいましたが、選出された23人全員がピッチに立ってプレーしたのも印象的でした。
福西:その辺りは佐々木監督が、前回大会や五輪でも見せたマネジメントの上手さだよね。選手に対して競争意識を持たせつつも、雰囲気作りもしっかりと意識してきたのが、大会通じていい方向につながった。
――決勝トーナメントになってからはある程度メンバーを固めましたが、確かに画面から一体感が伝わってきました。
福西:一つのゴールに対してベンチメンバーを含めた全員で喜び合っていたじゃん? ああいう全員で戦う姿勢をキープし続けたのは、メンタル的に大事なんだよ。
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