サムライブルーの原材料BACK NUMBER
「自分も選手も徹底管理」がハリル式。
部屋行き来禁止、長机、毎日出勤。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2015/06/11 10:40
自ら「完璧主義者」であることを認めるヴァイッド・ハリルホジッチ監督。それでも選手やスタッフに愛されるのは、自らをも厳しく律していることが伝わるからだろう。
全てをプログラムし、選手はやるだけ。
千葉県内のホテルで行なわれたメンバー発表の際、手倉森誠コーチを筆頭にコーチングスタッフも同席させている。これもなかなか聞いたことがない。全員で抜かりなく仕事をやっている意思表示であるとともに、監督がメディアに向けて話す言葉も共有させておきたいと考えているからと思われる。
指揮官から以前、聞いた言葉がある。
「私はすべてをプログラムして、すべてをオーガナイズしてやっていく。選手が我々のところに来たときには、準備してきたものをやってもらって向上させるだけ。ロシアW杯に向けた準備は、もう既に始まっているのだと選手たちにも話をしている。いい準備をしていけば、偶然などはない」
念入りに準備してきたものを組織的に一つになって、管理してやっていくことで、効果を最大限に発揮させる。ロシアW杯で躍進していくためのロードマップを描いているからこそ、妥協なき厳しい姿勢を、最初から選手たちにも要求している。
いい準備をすれば、偶然はない。
ハリルの流儀はどんな対価をもたらすのか。そしてイラク、シンガポールを相手にどんな「必然」を起こすのか――。