フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
世界王者から来日前のアドバイス。
日本男子はフィギュアのペアを目指せ!
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byISU/ISU via Getty Images
posted2015/06/09 10:40
3月の世界選手権で優勝した時のデュハメル&ラドフォード。四回転スローやトリプルルッツを跳ぶなど難易度の高い演技で観客を魅了した。
日本は絶対ペアも強くなる!
日本で唯一国際レベルのペアだった高橋成美&木原龍一の2人は、残念なことに世界選手権後に解散を発表。連盟もペアの育成には四苦八苦しているのが現状である。
だがラドフォードはこう言い切る。
「日本からは、あれだけのスケートのスーパースターが誕生してきた。今はシングルが主かもしれないけれど、いずれ絶対にペアでも頭角を現してくる。それは時間の問題に過ぎないでしょう」
昔から、小柄で筋力のある日本人女子はペアに向いていると言われてきた。だがなかなか男子でペアに挑む選手が見つからず、井上怜奈、川口悠子、若松詩子などは海外でパートナーを見つけ、多くの優秀な才能が国外に流出してしまっていた。
ラドフォード「日本男子もペアの面白さに目覚めて」
ラドフォードから、日本の男子スケーターに向けて、ペアならではの面白さをアピールする言葉をもらった。
「まずペアならではの、技の多彩さを強調したいですね。シングルではジャンプやスピンが主だけど、ペアにはリフトやスロウなど、独特の動きがある。そのダイナミックさ、面白さを是非味わって欲しいと思います」
体型的に、小柄な日本男子はペアに不利なことも事実ではある。だが同じアジアでも中国はペア大国。上海世界選手権で銀メダルをとったペアのツォン・ハンは身長170センチと、決して大きくない。
「ペアでも一組が成功すれば、次々と後が続いてくるはず。また現実的に、ペアに挑戦すれば国の代表として海外の試合に派遣してもらえるチャンスも高くなることも、大きなメリットだと思いますよ」
世界チャンピオンからの力強いメッセージ。これから、もっと多くの日本男子にもぜひペアに挑戦してもらいたい。