フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
世界王者から来日前のアドバイス。
日本男子はフィギュアのペアを目指せ!
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byISU/ISU via Getty Images
posted2015/06/09 10:40
3月の世界選手権で優勝した時のデュハメル&ラドフォード。四回転スローやトリプルルッツを跳ぶなど難易度の高い演技で観客を魅了した。
カミングアウトしたラドフォード。
ラドフォードは昨年12月、自らがゲイであることを告白。同性のパートナーとの間に養女がいることを明かした。ゲイは決して少なくないと言われるフィギュアスケートの世界だが、現役選手が競技シーズン中に正式にカミングアウトしたのは異例のことだ。セクシュアリティが原因で悩み、いじめなどの被害を受ける若いスケーターたちを勇気付けることになれば、と決意したのだという。
「反応は、予想以上のものでした」とラドフォード。大勢のファンやスケート関係者たちから、温かいサポートの言葉、感謝の言葉が手紙やメールで届いた。
「タイミング的にも最高だった。告白したシーズンに世界チャンピオンになれたというのは、大きな意味があったと思います」
大切なのは、ゲイかストレートかではない、とラドフォードは強調する。
「ぼくが主張したかったのは、すべての選手がごく自然に自分のままでいられるように、ということ」
彼の勇気ある告白により、救われた若いスケーターも大勢いるに違いない。
アイスショーでは日本の観客向けのサプライズも。
「ドリームオンアイス」と「ファンタジーオンアイス」は、2人にとって初出場。デュハメルは特別なショーナンバーを準備していると打ち明けた。
「日本のお客さんは、いつも情熱的に応援してくれる。この夏のアイスショーでは、日本の皆さんに競技では見せられない特別なものをお見せします」とデュハメル。
「アイスショーは、競技の演技を見るのと大して変わらないと思ったら大きな間違いよ。私たちは試合では危険とみなされ、禁止されているような大技もショープログラムの中では取り入れていく予定なんです」
ペア女子の中でも特別にアスレチックで知られるデュハメルは、自信たっぷりにそう口にした。
6月8日にコーチのブルーノ・マルコットと結婚式をあげたデュハメル。公私共に充実した日々を送っているという。