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亜久里絶賛の次世代F1ドライバー。
松下信治の急成長を見逃すな!
posted2015/04/26 11:00
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Sports Graphic Number
開幕前はホンダのF1復帰に賑わい、開幕してからはホンダの活躍に一喜一憂している日本のモータースポーツ界だが、今シーズンのF1に日本人ドライバーの姿はない。
'87年に中嶋悟が日本人として初めてF1にフル参戦して以来、日本人F1ドライバーの姿が開幕戦になかったのは、過去3回しかなかった。
'99年限りで高木虎之介が去ってから'02年に佐藤琢磨がデビューするまでの2年間と、小林可夢偉がザウバーのシートを失って浪人生活を余儀なくされた'13年、それに今年。
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それ以外は、少なくとも1人はドライバーとしてモータースポーツ最高峰の戦いに参加し続けてきた。F1をドライバー選手権という目線から見ると、いまの日本におけるF1の状況は、第3期氷河時代に入ったとも言える。
名手たちが通ったGP2で活きのいい走りを見せる松下信治。
しかし、その氷河期はそれほど長くは続かないかもしれない。
そう思うのは、バーレーンGPと併催されたGP2シリーズで、ある日本人ドライバーの活きのいい走りを目撃したからだ。
ドライバーの名前は松下信治。
昨年、全日本F3選手権を制したばかりの21歳のルーキーだ。
GP2とは、各国の優秀なドライバーがF1へのステップアップを目指して戦う舞台である。現在、メルセデスAMGでタイトル争いを演じているルイス・ハミルトンもニコ・ロズベルグも、GP2でタイトルを獲得してF1への切符を手にしてきた。中嶋一貴や小林可夢偉も同様に、ここからF1へと巣立った。
そのGP2でF1関係者が見つめる中、松下が予選でいきなり2位を獲得したのである。
日本人ドライバーのGP2における予選最高位は'07年に中嶋が唯一獲得したポールポジションだが、それはシーズン最終戦。開幕戦でいきなりフロントロウを獲得した日本人ドライバーはこれまでいなかった。