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松山・石川の2つ上が実は黄金世代?
薗田、藤本、小平の微妙な立ち位置。 

text by

桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byNIKEGOLF

posted2015/03/27 10:35

松山・石川の2つ上が実は黄金世代?薗田、藤本、小平の微妙な立ち位置。<Number Web> photograph by NIKEGOLF

石川遼、松山英樹の2人がいなければ、薗田峻輔は「期待のホープ」だったに違いない。その運命の悪戯を、彼はどう受け止めているのか。

薗田、藤本に隠れていた小平の意外な「攻め」。

 昨年は、小平が米下部ツアーの予選会(QT)に挑戦した。QTの2次予選で2位以下に13打差をつけてトップ通過したが、国内ツアー最終戦翌週に行われたQTの最終予選では惨敗した。だがその戦いぶりは、薗田にとって他人事では済まされなかった。

 2人はジュニアの頃から切磋琢磨した仲。薗田が中学生時代にゴルフ留学したオーストラリアから帰国した後、高校生が集う大会に参加することがあった。当時、層の薄い東京代表選手の中で飛び抜けた存在だった2人は、たびたび同室になって親交が深まったという。

 プロとして先に実績を積んだのは薗田で、同世代で次に優勝して名をあげたのが、「あの松山英樹が尊敬してやまない先輩」である東北福祉大出身の藤本だった。鳴り物入りでプロ入りした2人の後塵を拝し、下部ツアーから這い上がった小平はいわば第三の男。

 そんな関係性だったこともあってか、薗田は小平の行動に「意外と意欲的なところがあるんだなあ、と驚いた」という。米ツアーとの距離感は変わらずとも、より現実味を感じる出来事になったはずだ。

「今年は(米下部ツアーの)QTを受けることに意欲を出していく」と薗田。「あとはやっぱり海外メジャーに出たい。全米オープンと全英オープン……。その2つを意識してやりたい」

 先んじて米国の壁を叩き、跳ね返された小平は「世界で戦いたい気持ちが強くなった。世界では20代が活躍しているのに日本では元気がない。賞金王を目標にして自分たちの世代が盛り上げたい」と言った。タイトル獲得を目標に掲げ、米進出への経由地を欧州ツアーにも求める考えを口にした。

「早いな、もう26になるんだって思う」

 20代中盤。長いキャリアを考えれば、まだ駆け出しだ。ただ彼らはもう、そんな風に自分を慰めない。「ぼくは、『もう』というのが大きい。早いな、もう26になるんだって思う」と薗田。

 12月の米下部ツアーの最終予選会は昨年同様、国内ツアー最終戦の翌週から行なわれる。日米での戦いとの両立が容易いスケジュールではない。日本での確固たる実績、海外挑戦への道筋、どちらを求めるか。あるいは二兎を追うか。理想的な戦いができれば選択を迫られる。「結果を残せたら……日本のツアーでの成績で(海外に)挑戦する考えも出てくる。そのためにも前半戦がすごく大事」。9カ月後、そんな重大かつ希望に満ちた決断を下す時が、不遇の黄金世代に訪れるだろうか。

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