野球善哉BACK NUMBER
2番に強打者を置く西武とヤクルト。
栗山と川端は2番打者像を変えるか。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/03/25 10:30
2011年を最後に打率3割は達成していないものの、出塁率はむしろ上昇傾向にある栗山巧。リーグ最強クラスのクリーンアップの前を打つ2番の責任は重大だ。
最初は独立した1、2、3番でいい。
今、栗山はどんな心境で新シーズンを迎えようとしているのだろうか。
「2番は非常に重要な打順やと思うし、ゲームを動かせる打順だというのは今も変わらずに思っています。だから今季2番を任されることにはやりがいを感じていますし、いっちょ、やったろうかっていう気持ちはありますね」
栗山が2番を務めることの最大の意義は、彼が2番の経験者であり、チームにとっても、対戦する相手にとっても存在感の大きな選手であるということだ。栗山も「ファンの皆さんも楽しみにしてくれるんじゃないか」と語り、こう続けた。
「バントであろう場面で、ヒッティングで仕掛ける。もちろん面白さがある反面、強攻にいって失敗した時にあっさり感や残念感が出るというのもありますけど、僕がバットを振っていくことによって、相手にプレッシャーを掛けられるようにしたいし、このイニングはビッグイニングになるんちゃうかって、観ている方々にも楽しんでもらえるような打撃をしたいですよね。
ただ現時点では、2番打者像とかこうしたいとかは深くは考えてないんです。1番を打つ秋山はまだシーズンを通して1番を打ったことがないから、どういう1番になるか見えないじゃないですか。こっちが勝手にイメージを持ってしまって違うものになったら困るし、その辺は、シーズンの最初は独立した1、2、3番でいいと思う。そのうちに連動性を出していければ」
送りバントよりも、果敢な攻撃が見たい。
昨今の野球を観ていると、無死で走者が出ると、高い確率で送りバントという選択肢が取られているように感じる。確かに1点を取るという意味では効果的かもしれないが、選りすぐりの才能が集まったプロの世界では、バントよりも、併殺を恐れずに振り抜いていく果敢な攻撃を見せてくれる方が、球場に足を向けたくなるのではないか。