「レベルの上がった相手に通用するか自信がない」

　試合後、遠藤航はこう言っている。

「相手のクオリティもありますけど、試合で点が取れたのはひとつの収穫だと思います。後半にもっと取れたら良かったですけど、いい攻撃のイメージは2月のシンガポール戦から出来ていると思うんで、そこは継続しながら1次予選に入っていきたい」

　遠藤は、2月のU-23シンガポール戦（8得点）につづいて、点が取れていることをポジティブにとらえていた。

　一方、不安を覚えている選手もいる。

　4得点と大活躍した中島翔哉は、次のように語った。

「攻撃の仕上がりは手応えがあります。流れの中でいろんなパターンで点が取れているし、どんな相手にも手を抜かないのが大事なことだと思うので。でも、これがレベルの上がった相手に通用するかというと自信がないです」

　中島の気持ちもよく分かる。予選は真剣勝負ゆえ、相手の寄せの早さ、強さ、激しさが親善試合とまったく異なる。厳しいプレッシャーの中で何ができて、何ができないのか。もう少しレベルの高い相手と戦って、それを正確に把握してから予選に挑みたいと思うのは中島だけではなかったはずだ。

4得点を決めた2人は、クラブでレギュラーではない。

　ただ、FWを含めて前の選手が点が取れたことは大きな収穫になる。というのも、4得点ずつ奪った鈴木武蔵（新潟）と中島（FC東京）が、それぞれ所属クラブでレギュラーではないからだ。

　FWは試合に出ていないとゴールの感覚がどうしても薄れてきてしまうが、彼らのプレーはそんな不安をほとんど感じさせなかった。鈴木は「いろんなパターンで点が取れたのは自信になる」と笑顔を見せ、中島は「4得点取れることはなかなかない」と嬉しそうだった。

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