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内田篤人が語った、チームへの愛情。
「この雰囲気でやれるのが大きい」
posted2014/11/11 16:30
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Sports Graphic Number
メルマガ「ミムラユウスケのブンデス日本人戦記」。
最新号の中身をちょっとだけ……特別にご紹介いたします!
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●今週の目次
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【1】~ブンデスリーガ第10節:シャルケvs.アウグスブルク~
契約延長の内田篤人、絶妙のアシストとチームへの“愛情”。
【2】~ブンデスリーガ第10節:バイエルンvs.ドルトムント~
香川真司、リーグ戦5連敗の中にも感じている“手応え”。
【3】~ブンデスリーガ第10節:ケルンvs.フライブルク~
1トップで先発の大迫勇也、無得点に「悔しいですね」。
【4】~チャンピオンズリーグ第4節:ドルトムントvs.ガラタサライ~
右利きの香川が、左足でCKを蹴る理由を聞いてみる――。
【5】~チャンピオンズリーグ第4節:スポルティングvs.シャルケ~
内田、チームの現状について課題が「めっちゃある」。
【6】カメラマン・千葉格のPhotographer Diary
~バイエルン、ヨーロッパ戦線でも異状なし!~
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【1】~ブンデスリーガ第10節:シャルケvs.アウグスブルク~
契約延長の内田篤人、絶妙のアシストとチームへの“愛情”。
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10月31日、シャルケはアウグスブルクをホームに迎えての一戦。2018年6月30日までの契約延長で合意したばかりの内田は右サイドバックとしてフル出場を果たした。試合前のメンバー紹介の際に、スタジアムDJが内田が契約を延長したことに触れると、スタンドからは一斉に拍手がまきおこった。
試合後はシャルケが1点を守りきり、1-0で勝利。内田はチームトップの73回のボールタッチを記録していた。
この日もいつも通り、内田は出場選手の中で一番乗りでシャワーを浴び終えて、記者の前に姿を現した。
○ ● ○
――予想以上に苦しんだ試合になりましたか?
「勝たなきゃいけないからね……ホームだし」
――ここまで苦しむとは思っていなかったですか?
「いや、でも、最近あまりサッカー(の内容)が良くないから。今日も中盤でドタバタ、みたいな……。グラウンド状態がちょっと悪いからというのもあるんだけど。まぁ、どっちつかずのセカンドボールが多いとゲームが落ち着かない。そうすると、『闘ったもん勝ち』だから。中盤はよく頑張っていたね」
――試合途中から、そういう戦いになると覚悟していたのですか?
「うん、今日は技術(の勝負)じゃないなとね。前半が終わってハーフタイムに引き上げていくときに、みんな『なんだ、今日はキツくね?』みたいな話をしていたから。今日は技術というよりは、闘って、ね」
――先制ゴールのアシストにつながったシーンですが、ボールをカットしたあと、すぐにプレッシャーをかけて来た相手選手(エスバイン)をかわせたのが大きかったのでは?
「あぁ、(プレッシャーをかけに)来たよね……」
シャルケよりも上のクラブなんて数えるくらいしかないから。
――1-0で前半を終えて、後半はどうしようと考えていたのですか?
「最後の方はロングボールでも何でもいいや、と思っていた。けど結局、つなぎたいなと。オレもそうなんだけど、みんな最近ミスが多いよね? (原因は)何なんだろう……ボールをすぐ蹴っちゃう。監督の指示というのもあるんだけど、もうちょっとつなげるはずじゃん? あんまり調子よくない。グラウンドも悪いと言えば悪いんだけど……パスコースがないもん」
――監督の指示というのは?
「長いボールというか、サイドチェンジ。その中で『つなげ』とは言われるけど……。まあ(今後)よくなるとは思うんだけど」
――契約を更新したばかりだということを意識したのですか?
「『なんで(こんな選手と)契約を更新したのかよ』と思われたら、ちょっと嫌じゃない?」
――今日はウッシーコールがたくさん出ていましたが?
「ね! 球際(の勝負で)勝ったら、『ウッシー、ウッシー』と言ってくれていたし。終わってからも、『ウッシー、ウッシー』と言ってくれていて。やっぱりこう、契約更新をして歓迎してくれている、認めてくれているというのは選手として幸せなことですし。このグラウンド、この雰囲気でやれるというのが、僕の中で契約を更新する(理由として)大きかった。良いグラウンドじゃないかな」
――契約延長に際して迷うことはなかった?
「それはもちろん、普通に考えれば移籍の話もなくはないからね、契約期間が残り1年を切っていたから。でも、いつか移籍をするにしてもクラブにお金を置いていきたいからね。どっちにしても、シャルケが契約を更新したいと言ってくれたから(更新した)。鹿島のときもそうだったけど、これだけ良い経験をさせてもらって、タダ(移籍金ゼロ)で出るのは違うなと思ったし。シャルケよりも上のクラブなんて数えるくらいしかないから」
――契約が2018年6月末まである内田選手に興味を持ち、移籍金を支払ってまで獲得したいというクラブがあらわれれば、それは内田選手の能力を本当に高く評価しているからでしょうし、移籍金がゼロならば獲得しても良いとしか思われないようなレベルの選手では仕方がないですからね……。
「そうそう。そうしたら(仮に、将来オファーがあれば)考えればいいでしょう。(移籍金が)タダならば獲るというようなレベルの選手だったら、(他のクラブに)行く必要もないと思う、オレは。それはお金を払ってまで獲りたいというレベルに成長していないということだから。そうしたら行く必要もないでしょう」
この続きは、メルマガNumber「ミムラユウスケのブンデス日本人戦記」でぜひお読みください。