フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
スケートアメリカで町田樹が圧勝。
確実に頭角を現してきた若手たち。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byGetty Images
posted2014/10/28 11:00
昨年に続きスケートアメリカを連覇した町田樹。左は銀メダルのジェイソン・ブラウン(米国)。右はナム・グエン(カナダ)。
厳しくなったジャンプのルール。
今シーズンからジャンプに関するルールがいくつか改正された。
これまでは3回転以上のジャンプにのみ適用されていた重複ペナルティ(同じ種類のジャンプを2度以上跳ぶことはできない)のルールが、2回転ジャンプにも適用されることになったのである。
ゴールドはフリーで2トウループを3回跳んだため、後半の3回連続ジャンプが無効扱いになってしまった。
ほかにもルッツの不正エッジは、ジャンプの基礎点そのものが低くなるなど、いくつかのルールが変更された。今後トップで競っていくためには、女子の場合は特にルッツを正確なエッジで跳ぶことができるかどうかが、これまで以上に重要な鍵となるだろう。
川口&スミルノフ、GP大会全タイトル制覇。
ペアでは川口悠子&アレクサンドル・スミルノフ(ロシア)が、初のスケートアメリカタイトルを手にした。
昨シーズンのはじめ、スミルノフが膝の靭帯を断裂するという大怪我で五輪出場を逃した彼らだが、今季はすでにネーベルホルン杯とここで2連勝し、快調なスタートを切っている。彼らは過去に他のGP5大会すべてのタイトルを手にしているので、これで6大会すべてを制したことになる。
「昨シーズンは、もしかしたら回復が間に合うかもしれないと最後まで諦めずに練習を欠かさなかった」という川口だが、スミルノフは結局膝の手術の回復に6カ月を要したという。フリーではスロウ4回転サルコウを成功させ、高い技術と表現力の両方を兼ね備えたベテランらしい演技だった。
こうして今シーズンも、いよいよGPシリーズが開幕した。最終戦のNHK杯まで、12月にスペインのバルセロナで開催されるGPファイナル行きの切符をめぐって、熱い戦いが繰り広げられることだろう。来週はカナダのケロワナでスケートカナダが開催される。