MLB東奔西走BACK NUMBER
不動の1番打者として、200本安打へ。
青木宣親、MLB3年目へ順風満帆。
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph byGetty Images
posted2014/04/06 10:40
4月2日のタイガース戦に、1番・ライトで先発出場し、4打数無安打に終わった青木宣親。ここまで2試合9打数ノーヒットながら、今シーズンの期待は大きい。
MLB、2014年シーズンが開幕した。
スポーツメディアに関わるものは、この時期、オープン戦では見えなかった各チームの本当の戦力分析を行なうことになる。
昨年、大方の予想に反し開幕からスタートダッシュに成功したレッドソックスが、結局そのままワールドシリーズを制覇してしまったという例もある。やはり4月の各チームの戦いぶりをじっくりチェックすべきだろう。
そんな中、今シーズン注目すべきことの1つに“ロイヤルズの青木宣親選手は200本安打を達成出来るか”ということがある。
青木といえば、1994年のイチロー選手に続き、NPB史上2人目の年間200本安打を記録した選手であり、さらにただ1人、2005、2010年と2度達成した選手でもある。イチローが“元祖”200本安打男であるならば、青木は“二代目”200本安打男といえるだろう。
しかし、イチローがメジャー移籍した2001年から前人未踏の10年連続200本安打を達成したのに対し、青木はメジャーでは昨年、一昨年と200本安打に届かなかった(2012年150安打、2013年171安打)。
これまでも度々メジャーでの個人目標として200本安打を掲げてきただけに、今シーズンに賭ける思いはかなり強いものがあるはずだ。
ロイヤルズにとって青木はラストピースだった。
だが青木の200本安打達成への期待は、単なる個人記録に留まるものではない。青木はロイヤルズの今シーズンの成功のカギを握っていると言っても過言ではないのだ。
ロイヤルズはこのオフ、ブルワーズからトレードで青木を獲得した。デイトン・ムーアGMにとって、彼の存在はチームを強化するために必要不可欠なピースだった。
昨シーズンのロイヤルズは86勝76敗の成績を残し、2003年以来の勝ち越しに成功した。しかしその一方で、プレーオフ争いにはなかなか加われず、ワールドシリーズを制覇した1985年以来となるプレーオフ進出は実現できなかった。