日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
「GKは、日々の積み重ねが出る」
権田修一が語る、代表での“役回り”。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byREUTERS/AFLO
posted2014/01/06 10:30
ザックジャパン唯一のA代表キャップである、東アジア杯でのオーストラリア戦。ロンドン五輪でのベスト4にも貢献し、次世代のゴールキーパー筆頭が権田であることは多くの人が認めるところだろう。
陽の当たらない日陰にいる。
しかし光の恵みはなくとも、栄養分を探して必死に咲こうとしている花がある。ザックジャパンという花壇において、目立たないなかでも凛としたこの花の存在が壇全体の力というものを引き上げているように見えることがある。
ザックジャパンの帯同取材を続けてきて、控えゴールキーパーである権田修一の姿が目に入るたびに、そんなことをふと思ってしまう。
実質、三番手のゴールキーパーだと言っていい。川島永嗣、西川周作に次ぐ立場で、チームの立ち上げから継続的に招集されながらも出場したのは東アジアカップのオーストラリア戦(2013年7月25日)わずか1試合に過ぎない。
とはいえ、モチベーションは常に高く保っている。ザックジャパンの一員であるという意識も極めて強い。
出場の可能性だけで言えば今はメンバー23人中23番目にいるかもしれないが、向上心、それにフォア・ザ・チームの精神は誰にも劣っていない。権田修一はチームに欠かせない存在になりつつある。
「GKは、日々の積み重ねが出るポジション」
クリスマスの日、彼の姿はFC東京のグラウンドにあった。
ひざ痛を抱えていて、ケガの状態は決して軽くはないという。それでも天皇杯準決勝(12月29日、対サンフレッチェ広島)に間に合わせようと懸命にトレーニングに取り組んでいた。
「(残り試合は)出られなくても仕方がないぐらいの具合なのかもしれません。でも『それならもういいや』じゃないんです。そんな気持ちがちょっとでもあれば、練習をやらないほうがいい。当たり前ですが、僕としては一日でも早く復帰できるようにやるだけ。試合に出ればもちろん100%やるし、無理だと(監督から)判断されたら(チームに対して)自分にできることを100%やる。それだけですから」
そう語った後で、彼は言葉を付け足した。
「GKというのは日々の積み重ねが出るポジションだと思ってますから」