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<各国記者、勝手に座談会> 2014年W杯優勝はココ
text by
鈴木英寿Hidetoshi Suzuki
photograph byTakuya Sugiyama
posted2013/11/29 06:01
母国イングランドと世界王者スペイン、開催国ブラジルから
集まった敏腕記者の優勝予想は、思いもよらない展開に……。
出場32カ国がついに決定した来年のW杯ブラジル大会。
強豪国の記者3人がトークバトルしたNumber840号の記事を
全文掲載します!
ティム ブラジルW杯予選もすべての日程を終えました。今日は開催国ブラジルからカルロス・パデイロさん、前回王者スペインからパブロ・サン・ロマンさん。そしてサッカーの母国であるイングランドから私、ティム・リッチ。この3人で優勝予想をしたいと思っています。
パブロ ずばり、私の一押しは、ブラジルとアルゼンチンです。
ティム 私もアルゼンチンだ。カルロスはやっぱり、ブラジルの優勝を推すんでしょう?
カルロス それがね……僕はドイツなんだよ。
ティム 君はブラジル人なのにどうしてドイツなんだい?
スペイン、ドイツは“ジンクス”を打ち破れるか?
カルロス セレソンは優勝する潜在能力は持っていると思う。実際、今年のコンフェデレーションズカップも勝って、その実力は証明済みだ。ところが攻撃陣があまりにもネイマール頼みで、彼が潰されたら、二の矢がないチーム編成になってしまっている。ブラジル人として心の底から優勝して欲しいと願いつつも、冷静に考えると、戦力・経験値が充実しつつあるドイツだろうと。
ティム 確かにドイツは強い。攻守両面の組織力という面でずば抜けている。何と言ってもエジルだ。私はプレミアリーグを取材しているが、今季のアーセナルでのエジルは素晴らしいパフォーマンスだよ。ただ、過去の歴史をひも解けば北中米・南米で開催されたW杯で、欧州勢は優勝したことがないんだ。その点も考慮して、僕はアルゼンチンを優勝候補に推すね。
カルロス 純粋なタレント力で言えばどうだろう。スペインやドイツのほうがブラジル、アルゼンチンを上回っていると思うけどね。
パブロ 我らがスペインは、前線からGKまで間違いなく世界最高峰のタレントを揃えている。南アW杯に勝ち、EUROを連覇し、ビッグトーナメントの戦い方も熟知している。優勝する実力はあるんだ。過去のセオリーを打ち破る可能性があるとすれば、スペイン、ドイツといったあたりかな。
カルロス じゃあ君は、欧州列強をさしおいて、どうしてアルゼンチンを推すんだい?