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<富士山を10倍楽しむ方法> 服部文祥 「魅力は『高さ』に尽きる」 

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photograph byBunsho Hattori

posted2013/07/26 06:01

<富士山を10倍楽しむ方法> 服部文祥 「魅力は『高さ』に尽きる」<Number Web> photograph by Bunsho Hattori

1時間ごとの休憩と20回の深呼吸で高度順応を!

 眺めはやっぱりメチャクチャいい。天気が良ければ駿河湾も、伊豆半島も見える。夜は星空もきれい。でも俺は眺めなんてどうでもいいからね。好きな場所は……やっぱり山頂の剣ヶ峰かな。なんだかんだ言って登ると辛いから、剣ヶ峰に着くと達成感がある。「ああ、終わった。やっと帰れるぞ」って。

 初心者だったら人が少ない6月の終わりか9月の始めに、のんびり登るのがおススメです。朝、クルマで五合目まで行き、水を飲みながらゆっくり登る。1時間ごとに休憩を入れて、深呼吸を20回やる。行動をやめた瞬間に10回、行動を始める直前に10回。これさえ守っていれば、高度順応をしながら誰でも楽に登れます。調子が悪くなったら無理をしないで帰ってきちゃえばいい。登るのも降りるのも自由。それが登山のいいところだからね。

 日本人だったら日本で一番高いところに行ってみたい――それは自然な感覚だと思う。実際、山のフォルムもかっこいいし、世界で一番美しいという人もいる。「富士山に一度も登らぬバカ、二度登るバカ」という言葉があるけど、あれはその通りだなと思います。やっぱり人生で、一度は登ってみるべき山なんじゃないかな。

服部文祥(はっとりぶんしょう)

鹿を撃ち、岩魚を釣りながら頂上を目指す異色の登山家。東京都立大ワンダーフォーゲル部出身で、K2や黒部横断など国内外に数々の登山記録を持つ。現在は山岳雑誌『岳人』の編集部員として働く3児の父。著書に『サバイバル登山家』など。)

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服部文祥

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