青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER
4大メジャー参戦の疲れは癒えた。
石川と池田の賞金王争い再燃!
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byKYODO
posted2010/09/30 10:30
お互いに若手としてこれからの日本ゴルフ界をけん引する役割を担う石川と池田。6歳という年齢差はあるが、本当の意味でライバル同士といえるようになるためにも、賞金王争いを続けていって欲しい
シーズン後半戦を迎えて石川遼ががぜん元気になってきた。中日クラウンズでの優勝以外に目立った活躍のなかった前半戦に比べ、8月以降は毎週のように優勝争いに顔を出して好調を維持している。
フジサンケイクラシックでシーズン2勝目を挙げると、パナソニックオープンの第2ラウンドでも試合では自身初となるホールインワンを達成してトップに肉薄。優勝戦線に加わると同時に大会を大きく盛り上げて、ホストプロとしての役割を十分に果たした。昨年、石川と激しく賞金王を争った池田勇太も9月第3週のANAオープンで男泣きの今季2勝目を飾って、賞金ランキング5位(9月26日時点)まで浮上してきた。
ツアーの主役であるべき選手がここにきて調子を上げてきたのは決して偶然の一致ではない。石川も池田も日本ツアーを代表する選手だからこそ、シーズン前半の苦しみがあったとも言えるからだ。
肉体の疲労と引き替えに得られるメジャーでの貴重な経験。
2人とも4月の日本ツアー開幕前から、海外での試合に積極的に参戦してきた。メジャー初戦となるマスターズは日本ツアーの開幕よりも早く開催されるとあって、実戦感覚を磨いて少しでもいい状態で臨むためには当然の日程だった。
その後、日本ツアーが開幕しても、メジャーがあるたびに長時間のフライトと時差調整を余儀なくされてきた。もちろんそこでの経験は得難いものではあるが、肉体のコンディションとゴルフの調子を整えてすべての試合に臨むのは簡単なことではない。
石川は4大メジャーを戦い終えるまでに日本と海外を5往復し、池田はさらに多い6回も行ったり来たりを繰り返して日米ツアーを同時に戦ってきたのである。
米ツアー終了後の休養が後半戦絶好調の要因に。
2人はいずれもメジャー最終戦の全米プロを終えてから1週間のオフを挟み、8月最終週のVanaH杯KBCオーガスタから後半戦のスタートを切った。
池田はその開幕前にこんな風に話していた。
「米ツアーも一段落して先週はドッと疲れが出た。いつも以上に疲れが抜けるのに時間がかかったよ。あれだけアメリカに行ってたので、ある意味では今週が俺にとって日本ツアーの本当の開幕になっていくのかなと思う」
そして、その3週間後のANAオープンできっちりと優勝してみせたのである。