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古巣・ロッテ相手に躍動して“恩返し”。
好調阪神を牽引する西岡剛の覚悟。 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byNanae Suzuki

posted2013/05/27 12:50

古巣・ロッテ相手に躍動して“恩返し”。好調阪神を牽引する西岡剛の覚悟。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

3年ぶりに日本球界に戻ってきた西岡。今季、ほぼ全試合に出場し打率.314と、好調阪神を支える原動力となっている。

 5年ぶりに復活したロッテの交流戦限定「挑発」ポスターには、セ・リーグ6球団へ向けた刺激的かつユニークなフレーズが躍る。

 例えば対・広島。

 <今年こそ、1イニング打者三巡狙います>

 2009年6月11日の交流戦で、6回に打者二巡の猛攻で一挙15点を奪ったことにちなんで、このような文言となった。

 対・巨人のそれもウィットに富んでいる。

 <幕張名物センターフライ大増量フェア実施中!>

 これは、11年6月15日の巨人戦で、岡田幸文が超ファインプレー三連発を披露したことがネタ元。加えて、親会社の系列ファストフード店「ロッテリア」の大増量メニューのキャンペーンも掛け合わせているとか。

<虎狩りには、大地がツヨシ!>の挑発を受け入れる西岡の“ノリ”。

 そんななか、ロッテファンにとって最も目を奪われるのは、やはり対・阪神のポスターではないだろうか。

 <虎狩りには、大地がツヨシ!>

「大地」とは、現在売出し中の若手、鈴木大地。そして、「ツヨシ」は言うまでもなく、'10年までロッテに在籍し、今季から阪神でプレーする西岡剛である。

 ロッテの広報担当によると、西岡本人は、「もっとおちょくってもらってもよかったのに」と笑って話していたという。

 関西人の西岡らしいノリである。

 ただ、彼はきっと分かっているのだ。昨年オフにメジャーリーグから日本復帰を果たす際、ロッテに戻ることがファンへの最大限の誠意になる。でも自分は、阪神を選んだ。それを快く思っていないファンも少なからずいるかもしれない。だからこそ、せめて公に自分を挑発することくらい受け入れてもいいのではないか、と――。

 結果的にポスター以上の挑発はなかった。

 それどころか、ファンは西岡のかつての本拠地であるQVCマリンフィールドで温かく彼を迎え入れていた。

【次ページ】 ライトスタンドの「ツヨシ」コールに2安打で恩返し。

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