野ボール横丁BACK NUMBER
田中賢介、中島裕之でもやはり無理!?
MLBで日本人内野手が苦しむ理由。
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byREUTERS/AFLO
posted2013/03/27 10:30
今季オープン戦での田中。開幕までになんとかメジャーへ上がるべく、セカンドだけでなく、ショート、サードなどの守備にも挑戦していたのだが……。
メジャーを目指す内野手は“基本”を捨て去るべし。
『週刊現代』(2013年3月30日号)の「日本人野手がメジャーで活躍できないワケを教えます」という記事中でも、日米で監督を務めたボビー・バレンタインは、「現在、メジャーで活躍する内野手の多くがラテン系」と指摘した上で、こう説いている。
〈ラテン系の内野手の特徴は、独特の「リズム」でボールをキャッチすることにあります。彼らの守備はリズミカルで、見かけもカッコよく、まるでダンスのステップのように華麗です。一方の日本人はどうかと言うと、「リズム」とは無関係で、非常によく訓練された「スキル」で捕球している場合がほとんどです。(中略)いまアメリカでは、ラテン系の選手のように、誰もがグラブをはめた片手でキャッチして、もう一方の手はバランスを取るために後ろに振ります。これは理論的にも、両手を前に出して前屈するよりバランスもよく次の動作にも移りやすいからです〉
日本人の方が基本に忠実である――。
一理ないこともないのだろうが、この文脈の中にある「基本」を本気で捨て去らない限り、日本人は内野手としてはメジャーで生き残れないのではないか。
人工芝の守備と天然芝の守備は、やはり別物だ。