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善戦の先に「勝利」が無い試合。
オランダ戦は仏W杯と同レベルだった。 

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浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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posted2010/06/20 11:15

善戦の先に「勝利」が無い試合。オランダ戦は仏W杯と同レベルだった。<Number Web> photograph by Getty Images

'98年のアルゼンチン戦やクロアチア戦から進歩がない。

 この試合を「惜しかった」と言ってしまえば、初めて日本がワールドカップに出場した'98年から、何の進歩もないことを認めるようなものである。

 たとえて言うなら、'98年大会のアルゼンチン戦や、クロアチア戦に近い。ある程度守りを固めれば、僅差の勝負に持ち込めることは分かっている。問題は、いかに勝利の確率を高めるか。すなわち、ゴールの可能性を高められるか、なのだが、そこには何ら手がつけられていなかった。

 岡田武史監督はオランダ戦後、得点について「ひとりのセンターフォワードに頼ろうとは考えていない。セットプレーや、奪ってからの速い攻撃で点を取れればと思っている」と話した。

 しかし、実際のところ、日本はカメルーン戦からオランダ戦の前半まで1本のCKもなく、今大会初のCKはオランダ戦の58分。CKを1本取るのに、実に148分も要したのである。得点源としては、あまりに心もとない。

 FKにしてもペナルティエリア付近では得られず、どれもゴールから遠い位置のものばかり。いかに日本が、高い位置でボールを持てなかったかを物語る。

守備は機能したが攻撃にまったく厚みがなかった日本。

「オランダはうまくボールを回していた。日本も守備だけでなく、攻撃に厚みを作れないといけない」

 松井の言葉を引くまでもなく、日本はオランダの9本を上回る10本のシュートを放ったとはいえ、まるで攻撃に厚みが感じられなかった。

 加えて、1点を追っている状況での選手交代も、意図がはっきりしなかった。狙いを明確にして攻撃に出るどころか、バランスを崩す結果となっていては話にならない。最後の最後に岡崎慎司が同点機を作ったが、それ以前に、アフェライにはGKと1対1になる場面を2度も作られているのだから、むしろ試合を壊しかねない交代策だった。

 大敗しなかったという意味では、確かに善戦ではある。とはいえ、あらゆる善戦の延長戦上に、勝利があるわけではない。

 日本はよく戦った。いや、よく守った。

 だが、善戦の先に、勝利の二文字は見えなかった。

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