濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
UFC常連も門戸を叩く格闘技ジムで
長南亮が思い描く、米国制圧の野望。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2012/09/10 10:30
今年4月に練馬にオープンした格闘技ジム『TRIBE TOKYO M.M.A』。代表の長南亮(写真中央奧)などによる指導を受けに、国内のトップ選手たちが練習に集う。
TRIBEで研鑽を積んだ前田、清水、佐藤が破竹の3連勝。
その成果が如実に表れたのが、8月18日のDEEP後楽園ホール大会に始まる3週間だった。
同大会で前田吉朗がバンタム級タイトルを防衛。8.25修斗・新宿FACE大会ではパンクラス王者として敵地に乗り込んだ清水が判定勝ちを収め、佐藤豪則は9.1パンクラス・ディファ有明大会でウェルター級王座を守った。
大阪在住の前田は試合前、TRIBEに泊まり込んで長期のトレーニング・キャンプを敢行。桜庭和志の弟子である佐藤はプロ練習の常連だ。所属の清水も含め、TRIBEで練習した選手が3週連続で、それもメインイベントで勝利したことになる。
長南いわく「バックのポジションのキープに難があったので、その改善に取り組んだ」前田はバックからのスリーパー・ホールドで一本勝ち。「性格が真面目すぎて、試合前から“相手のここが強い、あそこが凄い”とリスペクトしてしまう」清水はアグレッシブな攻撃で対戦相手の持ち味を封じた。佐藤は試合後「長南さんに練習を見てもらったおかげで、自分の弱点と向き合うことができた」と語っている。
TRIBE勢はMMAの“本場”アメリカを制圧できるか!?
強い選手が数多く集まるから活躍が目立つ、というだけではない。選手たちはTRIBEでの練習で飛躍的な成長を果たしたのだ。
「でも、目標はあくまでアメリカ。逆に言えば、その目標があるから日本で勝てるんですよ」
今回の3連勝も、長南にとって、あるいは日本のMMAにとってはあくまで“過程”なのである。