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執念で出場権を掴んだシンクロ団体。
ロンドンの舞台でお家芸復活かける! 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2012/05/05 08:01

執念で出場権を掴んだシンクロ団体。ロンドンの舞台でお家芸復活かける!<Number Web> photograph by AFLO

乾友紀子、酒井麻里子、小林千紗、足立夢実、箱山愛香、中村麻衣、三井梨紗子、糸山真与、吉田胡桃の9人が代表メンバーとなった、シンクロ女子・ロンドン五輪代表。平均年齢21歳、下は18歳から上は24歳までのメンバーで、見事に5大会連続五輪出場を果たした。

指導体制の変節に振り回されず、結果を出した選手たち。

 さらに、日本の強化をめぐる試行錯誤が、危機感につながった。

 アテネ五輪後、井村雅代ヘッドコーチが退任、新体制で臨んだ北京五輪では先述のとおりチームで5位に終わる。

 その後、指導体制を新たにしたが、コーチの交代もあって強化方針は揺らぎ、国際大会での成績は下降していった。昨年には、現状打破を目的にロシア人のコーチと契約し、振り付けを依頼。だが、ロシア流を取り入れることで本来の日本のよさであった同調性や正確な技術などが損なわれた。結局、方向性をめぐる不一致から昨年11月に契約を解消。以降日本は、本来の持ち味をいかした演技を志向してきたが、どこまで修正して完成度をあげていけるのかという時間との戦いを強いられることになっていたのだ。

 迎えた最終予選。前半のテクニカルルーティンでは、技に乱れが出るなどして、ライバルの想定をしていたウクライナと同点で3位タイに。懸念が現実となって表れた展開だった。

 だが、フリールーティンで巻き返す。

 5つの曲をつないで構成し、神秘的な世界を表そうとしたプログラムを思い切りよく演じる。終わってみれば、ウクライナと0.230点の小差ながら大きな結果を手に入れることになった。

五輪本番でロシア、スペイン、中国の3強に迫れるか。

 ただ、本番はこれからだ。

 オリンピックでは、最終予選で予想通り1位だったロシア、2位のスペイン、井村雅代氏がヘッドコーチとして率いる中国が3強を形成することが予想される。

 最終予選こそ乗り越えたものの、日本は先述した紆余曲折があったため北京五輪後に正常進化してきたとは言いがたい。現状では、デュエット、チームともに3強との差は小さくないし、過去のオリンピックで守ってきたメダルの歴史をつないでいくのは厳しい……というのが現実だ。

 残されたわずかな時間で、いかにポイントを絞って強化を図っていくか――。

 世界最終予選からレベルアップした姿を示し、少しでも上位に肉薄することができるのかどうか。

 もしかすると僅かかもしれないその前進こそが、将来へ向けての復活への足がかりとなるはずだ。

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