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プロ野球のキャプテンの役割とは?
新主将9名が背負う、チームの行方。
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph byTamon Matsuzono
posted2012/03/07 10:30

今季、横浜から入団した31歳の村田修一選手と4番の座を争うことになった阿部慎之助。あるオープン戦で4番に座った村田は「後ろにいい打者がいるのは自分にもプラスになる。阿部さんがいるのは心強い」とコメントしている。
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キャプテンとは組織の盛衰を左右する究極の補佐役だ。
阿部や小久保は数年にわたりキャプテンを務め、プレーや言葉以上に自らの姿勢を周囲に見せることでチームを変えていった。ふたりのように存在感が際立ってくると、その立場もクローズアップされるが、プロ野球全体からすればキャプテンの意義が語られることは少ないのかもしれない。
だが、キャプテンの役割とは目立つことではない。堺屋太一が日本の組織論を語った名著『組織の盛衰』(PHP文庫)では、<むしろ、自分の名が出ないからこそなお嬉し、そんな性格が補佐役には必要なのだ>とあるが、キャプテンも同様に、個人として結果を出しながらも、見えないところで補佐役の仕事もきっちりこなさなければならないのだ。
阿部と小久保はキャプテンとして実績を作った。だからこそ、今季、就任3年目となる後藤や新任の9人は、キャプテンの本質を見極め、自らの意思をチームに浸透させなければならない。
それができるか否かで、組織(チーム)の盛衰が決まってくる。
