青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER
古田敦也、杉山愛、次は桑田真澄?
石川遼が偉大な選手達から得た言葉。
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2009/11/28 08:00
杉山は17歳、石川は16歳と、共に10代半ばでプロデビューしているふたり。雨の中ではあったが、石川が教えを乞うには十分な時間だった
生きた教材が近くにいると目をギラつかせるのは石川遼の性分である。
それはウッズやミケルソンといった世界のトッププロだけでなく、時には自分より年下のジュニアゴルファーだったり、時には他競技の先輩アスリートだったりする。
トーナメント前に行われる恒例のプロアマ戦。スポンサー企業の重役や関係者らを接待する場ではあるが、著名人やスポーツ選手がメンバーに含まれていることもある。
石川が“世界の杉山”の言葉から学んだこととは?
三井住友VISA太平洋マスターズのプロアマ戦では、10月に現役引退したばかりのテニスプレーヤー、杉山愛さんが石川の“教科書”になった。
どしゃ降りの雨でラウンドは9ホールに短縮されたが、短い時間でゴルフのレッスンをしながら、自分はトレーニングに関する質問をぶつけてアスリートとしてのレッスンを受けていた。
「私はテニスで持久力も瞬発力も必要だから、いろんな角度からトレーニングメニューを組んでいた。年齢や自分のいるステージによってもやることは違うし、それを新たなモチベーションにもしていた」
杉山さんは4大大会連続出場62回の世界記録を打ち立て、ダブルスの世界ランキングで日本人初の1位になるなど世界の一線で戦い続けてきた。海外での活躍を夢見る石川にとって競技は違えども偉大な先輩。熱心にその言葉に耳を傾けた。
「杉山さんのトレーニングはものすごく細かく種類が分かれてる。きょうは走り込み、きょうはウエートと分けて、ほとんど毎日ハードなメニューをやっていたと聞きました。他のスポーツ選手のトレーニングはほとんど知らなかったし、少しビックリしたとこもありました。僕は視野が狭かったなと思いました」
古田敦也氏の調整法からヒントを得た今オフの課題。
9月のフジサンケイ・クラシックでは野球評論家の古田敦也氏と回る機会があった。この時も石川は野球選手のシーズン中の体重管理に関して積極的にたずねた。
「シーズンオフは70kgあった体重が今は66、67kg。食べても増えないんですと話したら、野球選手も同じでシーズン中は体が絞れてくると。ただ、シーズン中に大きな負荷をかけたトレーニングをするとプレーができなくなるから、シーズンオフに“貯筋”をやってるんだと言われました。今年のオフは僕も貯筋をしようと思いましたね」