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ザック構想の3トップで「真ん中」候補!
ハーフナー・マイク代表入りの可能性。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byYUTAKA/AFLO SPORT
posted2011/06/25 08:00
父親のディドはオランダのトップリーグで活躍後、1986年にマツダSC(現サンフレッチェ広島)にGK兼コーチとして来日。母親はオランダの7種競技の元チャンピオン。弟は名古屋のユースチームでセンターバックで活躍中。1994年に家族全員で日本国籍を獲得した
194cm、86kg。
ヴァンフォーレ甲府の“大型ストライカー”ハーフナー・マイクの株が上がっている。
6月22日のJリーグ第17節終了時点で得点ランキング4位タイの6ゴール。そのうちアルベルト・ザッケローニが視察に訪れた試合で3ゴールを決めており、「日本代表入りへアピール」などと注目するメディアも増えてきた。
このハーフナー・マイクの最大の特徴と言えば、空中戦の強さ。
恵まれた体躯だけでも相手との競り合いに勝つには十分なのだが、落下地点に入るポジショニング、タイミングや駆け引きも巧い。そのため、競り合いにも余裕が出てくる。ヘディングの強さだけでなく、ジャンプして競り合う相手を押しつぶすような胸トラップからのシュートも彼ならではの武器だ。
強さもあり、巧さもある。
昨年、20得点を挙げてJ2得点王に輝いた実力はJ1でもいかんなく発揮されている。これまでの6得点の内訳を見るとヘディング2点、利き足の左足3点(PKの1点含む)、右足1点。足技のレベルも高く、どこからでも点が奪えている。
「1つのチャンスをモノにするため」に集中力を切らさない。
彼にたくましさを見たのが6月15日、アウェーでの鹿島アントラーズ戦だった。
鹿島にボールを支配され、前半はチームでわずかシュート1本のみ。鹿島の攻撃を何とか防いで後半にギアを上げたものの、お互いにゴールを奪えないままロスタイムに突入した。
タイムアップ間近、右サイドから出たボールを受けたマイクの左足が火を噴いた。シュートが相手DFとGKの股を抜くという痛快なゴールで下位に低迷するチームに貴重な勝ち点3をもたらしたのだ。数少ないチャンスが、いつ訪れるかわからない。最後の最後まで集中力を切らさなかったことが、このゴールにつながったと言える。
試合後、彼はこう言った。
「どうしてもチャンスが少なくなってしまうのは、開幕戦のジュビロ戦から痛感させられたことだし、1つの決定機を外しちゃいけないという思いがチームとしても強くなってきた。1つのチャンスをモノにするためには、僕らは試合が終わるまでしっかり戦い抜くことを続けていかなければならない」