チームジャパン提唱者が語るBACK NUMBER
為末大 「メッセージを発しながら
僕が感じたこと、考えたこと」
text by
折山淑美Toshimi Oriyama
photograph byTakuya Sugiyama
posted2011/06/22 06:00
4大会連続となるロンドン五輪出場を目指してトレーニングを続ける傍ら、アスリートの枠組みを超えた活動にも積極的に取り組む為末大。社会貢献活動を目的にアスリートが競技種目の枠を超えて集う日本アスリート会議にも、アスリート代表として名を連ねた
世界最大級の寄付集めサイトで被災地支援チームを発足。
その決意が固まると、13日午前11時前に被災地支援を目的とする「チームジャパン」の立ち上げをツイッターで公表し、横田や早狩とともに行動を起こした。
「チームジャパン」はジャスト・ギビングというWEBサイト上で発足させた。ジャスト・ギビングは世界最大級の寄付集めサイトで、為末は「金銭的に恵まれていないアマチュア選手向き。ファンの力をお金に変えられるから、大きなことができるのではないか」と考え、以前から興味を持っていたという。
趣旨に賛同したアスリートがWEB上で自由に「チームジャパン」へ参加でき、それぞれのメッセージに共感した人々から寄付を募るという、オープンで広がりのあるシステムにしたのだ。そして集めたお金は震災直後から被災地で活動していたNGOシビックフォースに寄付することに決めた。
為末は社会貢献を目指して組織し、自らが代表理事を務める「アスリートソサエティ」のメンバーである卓球の松下浩二や、バレーボールの大山加奈、さらに勉強会で一緒だったビーチバレーの浦田聖子やバレーボールの落合真理などに連絡をとり、ツイッターやフェイスブックなどを通じて多くの人に寄付を呼びかけてもらうとともに、さらなるアスリートの賛同者を募ってもらうことにした。
ツイッターには賛同の声が殺到、寄付金は4時間で100万円を超えた。
為末本人もまず10万円を寄付、練習時間以外はパソコンの前に座って情報を集めながら、さらに多くの選手たちにメールを送りまくった。また、海外にいて全体を見渡せる利点を意識して、被災地だけではなく日本全体に向けたメッセージを発信することも意識した。
ツイッターにはすぐさま賛同の声や寄付をしたというコメントが寄せられた。一般の人とともに水泳の源純夏や田中雅美、トライアスロンの樋口玲士、スピードスケートの及川佑などが賛同を表明し、寄付金は4時間足らずで100万円を超えた。その後も参加を表明する個人、団体が続いた。
「この広がりは自分でもビックリするくらいですけど、なかでもゴルフ界が動いてくれたのは大きかった。最初は母校が被災地にある有村智恵さんだと思うけど、あとで聞くと宮里藍ちゃんが僕のブログの文章を色々な人に見せていたみたいで。そこから石川遼くんにもつながったんでしょうね」