バンクーバー通信BACK NUMBER
歓喜で爆発するバンクーバーの街!
五輪開幕日、それぞれの想い。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byNaoya Sanuki
posted2010/02/13 18:35
上村愛子は悪天候をものともせず闘志を燃やす。
バンクーバーは、10日から雨が降り続く。ジャンプ競技の行なわれたウイスラー・オリンピックパークですら、例年なら雪が深く降り積もる山なのに、雪がなく地面がむきだしの場所が目立つ。競技が終わってまもなくして雨まで降り始める事態に。考えられないことだ。
それでもオリンピックは始まった。
思いもかけない天候の問題に振り回される一人、モーグルの上村愛子は、「モーグルではよくあることですから」と冷静に受け止める。
ノーマルヒル予選を6位で通過した葛西紀明は、「タイミングが合わなかった中で、あれだけ飛べた。合えば110mくらい行くんじゃないですか」と、明日の決勝に向けて気合いを見せる。
ジャンプで予選を免除されている世界ランク1位、シモン・アマン(スイス)は、「ライバルたちを破るのは大変だけど、僕の望みはもちろん高いですよ」と、静かに抱負を表した。
日本の選手はむろん、参加する選手誰もが、4年に一度の大会に懸けている。
波乱含みで始まった大会で、彼らはどのようなパフォーマンスを披露するのだろうか。バンクーバー大会は、どんな色合いに染められるだろうか。
2月28日まで、戦いは繰り広げられる。