日本代表、2010年への旅BACK NUMBER
岡田ジャパン内閣改造計画。
流れを変える新コーチは誰か?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byAkihiro Sugimoto/AFLO SPORT
posted2010/02/20 08:00
浦和レッズをビッグクラブに育て上げた功績で有名な犬飼基昭日本サッカー協会会長。岡田武史監督の全面支援を発表したが、その決断は果たして正しかったのか?
公式戦で結果、試合内容がともに悪ければ、責任問題に発展する。これはナショナルチームを率いる監督にとって宿命でもある。
ライバル韓国に完敗を喫して低調な内容で東アジア3位に終わった岡田武史監督にバッシングが集まったのは当然だろう。一部のスポーツ紙では88%のファンが監督交代を求めているというアンケート結果が発表され、一般紙にも「惨敗」の文字が躍った。試合翌日の日本サッカー協会には200件ほどの電話、FAXが殺到して、その大半が批判や交代を求める声だったそうである。
バッシングが高まるなかで、日本協会の犬飼基昭会長は早々に「岡田続投」を決断した。協会のホームページで自身の見解を表明している。
「3年かけて作り上げてきたチームを1試合、2試合の結果で監督を交代して変えてしまうことはデメリットのほうが大きく、これから4カ月程度でもっと良いチームができるとはまったく思えません。我々としては、岡田監督を信じ、監督が目指すサッカーを堂々とやってもらうことがベストであると、協会内部は意見が一致しました」
指揮官に対する協会トップの信頼が揺るがない以上、もはや日本協会に監督交代の選択肢はないと言っていい。しかし、信じるだけで何の手も施さないでは、メディアに「無策」と叩かれても仕方があるまい。
“岡田政権”を維持したいならば内閣改造が最低条件。
この4連戦で明るみになった問題のひとつは、「監督が目指すサッカーを堂々と」やれなかったことにある。
会長自身も「東アジアのような戦い方をしていてはあの世界舞台で勝利するのは難しい」と危機感を募らせている。その問題を解決するためには、やはり何らかのテコ入れが必要だと言わざるを得ない。世間の支持率が危険水域にある“岡田政権”を維持するにしても、今のままでいいわけがない。
テコ入れ案として真っ先に思いつくのは「内閣改造」だ。つまり、新しいコーチの入閣を検討してはどうか。
岡田ジャパンには何故フィジカルコーチがいないのか?
まず候補として挙げたいのがフィジカルコーチの招聘である。現在の岡田ジャパンに有能なトレーナーは多いが、フィジカルコーチを専門とする人がいない。これまで指揮官は体幹を鍛える独自のトレーニングを導入し、長友佑都や佐藤寿人ら一定の効果を実感している選手は多い。体幹トレーニングは敏捷性のアップのほか、バランスの強化などを目的としている。岡田監督はかつて、このように言っていた。
「戦術、技術ではなくて、ボール際の強さでやられてしまうところがアジアのチームには往々としてある。特に日本なんかは、攻撃のところでいい形なのに最後にバランスを崩してしまう。そういうところを強くしていく必要を感じている」