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因縁のユーベ戦で途中出場も……。
無言でピッチを去った長友の苦悩。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2011/02/14 12:45

因縁のユーベ戦で途中出場も……。無言でピッチを去った長友の苦悩。<Number Web> photograph by Getty Images

ユベントスの“ビアンコネーロ(白と黒)”と初めて戦った“ネラッズーロ”の長友。スタディオ・オリンピコでは、ユベントス・サポーターの爆弾を使った応援という過激な洗礼を受けることとなった

 長友佑都にとって初めてのデルビー・ディタリア(=イタリア・ダービー)は、ほろ苦い結末となった。

 イタリアを代表する名門同士の大一番は、ユベントスが1-0でインテルを破った。インテルの連勝は3でストップ。後半28分から途中出場した長友だったが、ユベントスの堅守と味方との連係不足から何もさせてもらえず。よほどショックを受けたのか、試合後の長友は言葉を残すことなくスタジアムを後にした。

 試合前日、アッピアーノ・ジェンティーレ練習場にはモラッティ会長以下首脳陣が激励に訪れ、一戦にかける意気込みを示した。レオナルド監督が「リーグ戦において最も重要な試合の一つ。首位追走を続けるために大きな刺激になる」と位置づけると、長友も「チャンスがあれば、この大事な一戦でプレーできる選手ということを証明したい」とクラブHPで語っていた。

 歴史的に反目してきた両クラブだが、5年前のカルチョ・スキャンダルを機に、対立感情はさらに悪化した。血気にはやる35歳のユーベ新会長アンドレア・アニェッリが「剥奪されたスクデットを返還せよ」と迫れば、30年先に生を受けたインテル会長モラッティは、18世紀の詩人ジュゼッペ・パリーニの風刺詩『Il giorno』の登場人物の名を挙げて「没落貴族のお坊ちゃんには困ったものだ」という痛烈な皮肉で切り返す、といった塩梅。セリエAの現盟主は紛れもなくインテル。だが、ユーベ戦には特に注意が払われ、遺恨ムードが付き物になった。

闇夜に浮かび上がるスタジアムで、何度も轟く爆発音!!

 スタディオ・オリンピコでは今でも、「ドン!」と腹の下まで響く大音響の爆発音が聞かれる。ユベントスのサポーターがゴール裏席に持ち込んだ違法爆薬の炸裂する音だ。闇夜のナイトマッチで聞くそれは、アウェイチームにとって決して嬉しいものではない。

 レオナルド監督は、5ゴールという大量得点で勝利した前節ローマ戦とまったく同じ攻撃的なスタメンで臨んだ。対するユベントスは、指揮官デルネーリお得意の“中盤で奪ってサイドに展開する”、いわゆる“キエーボ・サッカー”に徹した。前半30分、インテル守備陣に一瞬のスキが生まれる。FWマトリにヘディング弾を叩き込まれると、今度は引いて守るユベントスを攻めあぐねるようになった。

【次ページ】 レオナルド監督が長友に期待したプレーとは何か?

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