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國學院大・平林清澄はなぜ初マラソン日本新を出せた?…記録続出“超厚底シューズ”を選ばなかったワケは168cm、44kgの「超軽量ボディ」にあり 

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涌井健策(Number編集部)

涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui

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posted2024/02/28 11:04

國學院大・平林清澄はなぜ初マラソン日本新を出せた?…記録続出“超厚底シューズ”を選ばなかったワケは168cm、44kgの「超軽量ボディ」にあり<Number Web> photograph by JIJI PRESS

大阪マラソンで初マラソン日本新記録で優勝した國學院大の平林清澄(3年)。来年の箱根では優勝を狙うチームのエースという重責を担う

 一方で、そのためには駅伝シーズンだけでなく、2月、3月からロードでライバルチームに強さを見せていかなければならないと思っているという。

「私の解釈としては、箱根駅伝とマラソン強化は明確に結びついています。だからこそ、競技力とその背中で後輩たちの手本になっている平林の大阪マラソンは、個人だけでなくチームにとって大事なんです。今年は國學院大学として平林を先頭にして戦っていき、青山学院や駒澤に正攻法でバシッとあたっていきたいです」

監督が語る平林の「成長の余地」

 エースに全幅の信頼を置く指揮官だが、平林のことを語る時は、いつも笑顔で留保をつける。それが、駅伝などで逆さに被っている白いキャップのことだったり、お調子者の側面があるというエピソードだったりする。

 今回の取材で、前田監督が平林の「成長の余地」と語っていたのは言葉についてだ。

「饒舌なんですけど、自分の思いを言語化するのは苦手というか。どうしても思いが先走ってしまうので、本当のニュアンスと違う捉え方をされ、誤解されちゃうことがある。キャプテンとして上に立つのなら、言い方、話し方を気をつけなさいという話はしています。誤解されると後輩が距離をとってしまうから、一度、立ち止まって考えてから発言してもいいんじゃないか、ということですね」

 言葉のまっすぐさ、強さは平林の長所でもある。ツッコミどころも人間的な魅力になる。

 それがわかっているからこそ前田監督はキャプテンを任せているのだし、今回のニックネームも優等生的なニュアンスのある「ボーイ」ではなく、どこか響きに愛嬌のある「ボーヤ」としたのだろう。

 平林清澄、21歳。國學院大学のキャプテンで、エース。日本マラソンのシンデレラボーヤの名前は歴史に刻まれた。

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