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「誰ひとり雰囲気を変えるプレーができなかった」堂安律25歳がドイツで語った“アジアカップ敗戦”「苦しい時に流れを変える選手にならなくては」 

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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photograph byGetty Images

posted2024/02/26 17:03

「誰ひとり雰囲気を変えるプレーができなかった」堂安律25歳がドイツで語った“アジアカップ敗戦”「苦しい時に流れを変える選手にならなくては」<Number Web> photograph by Getty Images

アジアカップ後、ドイツに戻り、フライブルクでプレーする堂安。アジアカップでの敗北について話を振ると…

 だからこそ求める姿は、チームで求められるプレーを一切おざなりにすることはなく、攻守にハードワークを続け、その中で攻撃でも決定的な場面で決定的な仕事をする選手だ。

監督も評価「あれこそが私が彼に求める基準だよ」

 それはフライブルクのシュトライヒ監督の要求とも見事に合致する。フランクフルト戦後に堂安のプレーについて次のように評価していたことからもそれがうかがえる。

「守備へのタスクも多いなかで、何度も走ったなかで、終盤のカウンターチャンスでも長い距離を走りゴール前へと顔を出し、また自陣深くまで戻って、1対1の競り合いで身体をぶつけてボールを奪ってくれた。あれこそが私が彼に求める基準だよ」

 フライブルクでは主力選手のケガの影響もあり、ここ最近右のウィングバックというポジションでプレーすることが少なくない。攻撃的なポジション以上に守備時には自陣深いところまで戻らなければならないし、対峙する相手との1対1で負けることは許されない。攻撃に出ていくときも相手ゴールまでの距離が遠いのだから、長い距離のダッシュの連続による負担は小さいはずがない。

「いや、きついっすよ」…それでも、足を止めない

「いや、きついっすよ」

 そう苦笑いをする。でも足を止めない。戦うことを止めない。自分へ要求することを止めない。

「これをやっていけば成長できると思う」

 そうつぶやいてもいた。

 代表でもチームを引っ張り、大事な試合の苦しい時間帯でも存在感を発揮できる選手になるために。仲間を助け、ファンを熱狂させるクオリティを手に入れるために。堂安は新たなステージでの戦いと向き合おうとしている。代表への熱い思いが、チームでのプレーを損なわせることはもうない。

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