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「サッカーの採点は見ないが、食べログは見る」“元Jリーガーのラーメン屋”わずか半年で大幅リニューアルの理由「妻は今も大反対しているが…」 

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栗田シメイ

栗田シメイShimei Kurita

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photograph byL)J.LEAGUE R)Yuki Suenaga

posted2024/02/02 11:01

「サッカーの採点は見ないが、食べログは見る」“元Jリーガーのラーメン屋”わずか半年で大幅リニューアルの理由「妻は今も大反対しているが…」<Number Web> photograph by L)J.LEAGUE R)Yuki Suenaga

19年間にわたってJリーグで活躍した盛田剛平(左は2004年広島時代)。昨年3月にラーメン屋「盛田軒」をオープンした

 さらにピッチでの評価をあまり気にするタイプではなかった盛田だが、立場を店長に変えてから考え方が180度変わった。

「(試合の)採点や評価などは見ないようにしていたんです。基本、批判的な意見の方が多いものだし、それに左右されてもネガティブな気持ちにしかならないので。でも今は、食べログや口コミなどを、細かくチェックするようになりまたね。一度それを受け止めようという考え方になっていったんです。お店をやる上では、そういう意見も絶対意識しないといけません。だから、ちょっとでも評価が上がるとめちゃくちゃ嬉しいんですよ(笑)。そして、皆様の声をもとにメニューや店の改善を考えるようになりました」

試作を繰り返した「真っ白なスープ」

 オープンから半年ほどが経った頃、盛田は大幅なリニューアルを決断する。「まずは自分が変わらないといけない」と、修業した道場などに再び足を運びアドバイスを求めた。また、とにかくラーメンにかける時間を確保するために営業終了後も深夜まで試作を繰り返した。

 オープン時の盛田軒では多くのメニューを採用していたが、現在では品数を絞り「鶏白湯」を看板メニューとして売り出すように変更。自らが頭を悩ませながら改良を重ねた結果、「SNS映えも狙える真っ白なスープ」という答えにもたどり着いた。

「鶏白湯は意外と食材同士が喧嘩しないラーメンで、バランスを重視した」と盛田は言うが、あっさりめのスープと濃厚に絡み合う麺の食感は、たしかに筆者も経験したことがない味覚で、試行錯誤の痕跡が舌先にまで伝わってくる。リピーターも増えつつあり、評判も上々だ。

 そんな成果もあってか、11月のリニューアルオープン以降は、自身が納得出来る売上げにまで到達し、行列もできるほどになった。

 仮にプロスポーツの世界では才能に比重が置かれる要素が多いとするならば、「ラーメンの世界は才能も大事だけど、努力と情熱次第で才能を補えるとも思うんです」という盛田の言葉は、説得力を帯びていた。

【次ページ】 ラーメン屋では“監督”?「スタッフの接し方は悩みました」

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