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岡田彰布が放った「流行語のアレ」全341回を徹底検証「お偉いさんも“アレ”と呼ぶ」「実は少ない“優勝の意味”」では用法ランキング1位は?

posted2023/12/02 06:00

 
岡田彰布が放った「流行語のアレ」全341回を徹底検証「お偉いさんも“アレ”と呼ぶ」「実は少ない“優勝の意味”」では用法ランキング1位は?<Number Web> photograph by Kichi Matsumoto

岡田彰布の「アレ」全発言を検証してみた

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岡野誠

岡野誠Makoto Okano

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Kichi Matsumoto

 12月1日、「新語・流行語大賞2023」が発表され、年間大賞に「アレ(A.R.E.)」が選ばれた。その偉業を称え、阪神タイガースの岡田彰布監督が昨秋の就任会見から今年11月30日までに発した全341回の「アレ」を分析。“岡田監督のアレ”研究家・岡野誠氏が研究成果を公表する――。(全2回の1回目)

 就任以来、岡田監督は選手へのプレッシャーを軽減させるべく、優勝を「アレ」という代名詞に言い換えた。指揮官の号令以降、選手もファンもメディアも「アレ」を連発。38年ぶりの日本一を達成し、新語・流行語大賞に輝いた。

じつは少ない“優勝のアレ”…これが7パターン

 一体、岡田監督はどのくらい「アレ」を「優勝」という意味で使っていたのか。デイリースポーツonlineで練習や試合前後などの報道陣との一問一答を調べると、「アレ用法」(あれ用法)には以下の7パターンが発見された。

【岡田監督の「アレ用法」7パターン】

1 優勝を指す「アレ」 
2 人を指す「アレ」
3 後の内容を指す「アレ」 
4 前の内容を指す「アレ」
5 驚きの「アレ」
6 あらへんの変化形「あれへん」
7 文脈で読み取らせる「アレ」

※ランキングは後述。複数の可能性が考えられて判断が難しい場合、番号の小さい用法を1カウント。1〜6のいずれにも当てはまらない時は、文脈で読み取らせる「アレ」と判断

前の言葉を指す「アレ」の例

 岡田監督の話は指示語が多く、難解を極めると言われる。まず、3月31日のDeNAとの開幕戦の「アレ」(あれ)2例を振り返りながら、判断の仕方を説明しよう(引用元はデイリースポーツonline/日付は発言日。「-」は報道陣の質問、回答が長く続く場合は途中でカット。その際は*をつける。以下同)。 

●例1:7回表、ライトの板山祐太郎がファインプレー

-板山がいいプレーをした。
「あーそうですねー…(森下を)代えてたんやね、あれね。なんで代えてたんやろ(青柳交代の場面で岩崎を6番に入れ、板山を9番に)。まあ良かったですね」

 自分で交代させながら「なんで代えてたんやろ」という言葉も気になるが、「あれ」は“板山のいいプレー”を指しているのだろう。この例では、デイリースポーツが(森下を)と補足しているため、すんなり前の言葉を指すと判断できた。もし「代えてたんやね、あれね」だけなら、「あれ=森下」と解釈したかもしれない。なぜなら、岡田監督は「アレ」を指示語ではなく、人称代名詞として使うケースが頻繁にあるからだ。

【次ページ】 人を指す「アレ」の例

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