阪神は前年主力の西勇、青柳が不振に苦しんだが、安定の伊藤将に加え、村上、現役ドラフトの大竹と先発陣に救世主のような投手が加わり、才木も含めて優秀な先発陣を形成。救援では湯浅、浜地は落ち込んだが、ワンポイントの加治屋、岩貞、石井、島本、及川に新鋭・桐敷からクローザー岩崎につないだ。西勇は8月以降復調している。

　両軍ともに投手陣の充実で圧勝しただけに、ほぼ互角。ただ短期決戦だけにシーズン中の実績とは別に「使える投手」を見極めるのが必要になる。

【CSファイナルステージの成績】
〈オリックス〉
・先発
　山本由伸1登1勝7回 責5率6.43 PR-1.86
　田嶋大樹1登6回 責4率6.00 PR-1.31
　東晃平1登5回 責0率0.00 PR2.24
　宮城大弥1登1勝6回 責0率0.00 PR2.69
・救援
　阿部翔太1登1H1回 責0率0.00 PR0.45
　宇田川優希2登1勝1H2回 責0率0.00 PR0.90
　小木田敦也2登1H2回 責0率0.00 PR0.90
　平野佳寿3登3S3回 責1率3.00 PR0.35
　山岡泰輔2登1敗1H2回 責2率9.00 PR-1.10
　山﨑颯一郎2登2H2回 責1率4.50 PR-0.10

昨季日本シリーズ、WBCを経験した宇田川と山﨑颯がどんな投球を見せるか　©Nanae Suzuki

〈阪神〉
・先発
　村上頌樹1登1勝6回 責1率1.50 PR0.51
　伊藤将司1登7回 責1率1.29 PR0.75
　大竹耕太郎1登5回 責2率3.60 PR-0.74
・救援
　石井大智3登2H1.2回 責0率0.00 PR0.42
　岩崎優3登1勝2S3回 責0率0.00 PR0.75
　岩貞祐太1登1H0.1回 責0率0.00 PR0.08
　桐敷拓馬2登1勝1H3回 責0率0.00 PR0.75
　島本浩也3登1H0.2回 責0率0.00 PR0.17
　ブルワー1登1H0.1回 責0率0.00 PR0.08

CSで投げていない山﨑福、才木、西勇らに注目

　パのCSファイナル第1戦の初回、山本由伸が3失点。しかし山本は昨年の日本シリーズ初戦でも5回途中自責点4で負け投手になっている。絶対的エースでも躓くことはあるが、2度同じ失敗をしないのもエースと言えよう。CSで素晴らしい登板をした宮城、東、さらにはCSでは投げなかったが山﨑福などがローテを組むか。

　救援陣は宇田川、小木田が好調。平野は連投が厳しそうなので、山﨑颯、阿部が締めるケースもあるかもしれない。

　阪神は安定感抜群の村上、伊藤も手堅い投球を見せた。一方で大竹はやや調子を落としている。先発はこれに才木、西勇が加わるか。青柳は9月に入って不振だ。救援陣はCS3試合で失点0、特に桐敷の快投が目立ち、救援陣には穴が見当たらない。

交流戦で古巣相手に勝利した西勇の登板はあるか　©JIJI PRESS

　両軍ともに投手陣が傑出しているので、「守り合い」の展開になりそうだ。CS同様、息詰まる試合の連続だろう。

　2023年、シーズン総集編にふさわしい熱戦を期待したい。