オリックスは総じて打線好調。森、セデーニョから効果的な一発が出た。大きな穴がない印象だ。ただゴンザレスは1安打だったので、西野、ベテランの安達などが取って代わるかもしれない。5、6番の杉本、紅林の右打者コンビも好調だったが、杉本は足首、紅林は左手を故障した。昨季日本シリーズMVPの杉本はロースターに入ったが、日本シリーズでは守備に就けないかもしれない。

昨季日本シリーズMVPの杉本の起用法はどうなるか　©Nanae Suzuki

　ただここへきて頓宮に使えるめどが立ったので、一塁で起用する可能性もあるだろう。

　阪神はシーズン中とほぼ同じ。このメンバー以外で安打を打ったのは投手の村上だけだ。

　しかし、打線は低調。それでも投手陣の頑張りで3連勝したが、シリーズ男になりそうな選手が今のところ、8番の木浪しかいないのが気がかりだ。強力なオリックス先発投手陣に対応できるか。好不調の波は大きいが、新人の森下が起爆剤になることを期待したいところだ。

ルーキー森下はシリーズ男となれるか　©Hideki Sugiyama

ともに盤石の投手陣、それぞれの特徴は？

　続いては投手陣を比較していく。

【投手陣の比較】※PRは防御率に基づく総合指標
〈オリックス〉
・先発
　山本由伸23登16勝6敗0S0H164回 責22率1.21 PR35.53
　宮城大弥22登10勝4敗0S0H146.2回 責37率2.27 PR14.50
　山﨑福也23登11勝5敗0S0H130.1回 責47率3.25 PR-1.30
　山下舜平大16登9勝3敗0S0H95回 責17率1.61 PR16.36
　田嶋大樹13登6勝4敗0S0H81.2回 責28率3.09 PR0.64
　東晃平10登6勝0敗0S0H52.1回 責12率2.06 PR6.40
・救援
　山﨑颯一郎53登1勝1敗9S27H52回 責12率2.08 PR6.24
　阿部翔太49登3勝5敗1S21H46.2回 責14率2.70 PR2.39
　宇田川優希46登4勝0敗2S20H45.2回 責9率1.77 PR7.05
　平野佳寿42登3勝2敗29S5H40回 責5率1.13 PR9.02
　小木田敦也38登4勝0敗0S7H49.1回 責12率2.19 PR5.32
　山岡泰輔31登2勝1敗3S8H94回 責24率2.30 PR8.98
　山田修義32登0勝0敗0S6H31.1回 責4率1.15 PR7.00

〈阪神〉
・先発
　伊藤将司21登10勝5敗0S0H146.2回 責39率2.39 PR13.04
　村上頌樹22登10勝6敗0S1H144.1回 責28率1.75 PR23.09
　大竹耕太郎21登12勝2敗0S0H131.2回 責33率2.26 PR13.61
　才木浩人19登8勝5敗0S1H118.2回 責24率1.82 PR18.06
　西勇輝18登8勝5敗0S0H108.1回 責43率3.57 PR-4.57
　青柳晃洋18登8勝6敗0S0H100.1回 責51率4.57 PR-15.38
・救援
　岩崎優60登3勝3敗35S12H56回 責11率1.77 PR8.84
　加治屋蓮51登1勝5敗1S16H38.2回 責11率2.56 PR2.71
　岩貞祐太50登1勝0敗0S24H43.1回 責13率2.70 PR2.36
　石井大智44登1勝1敗0S19H40回 責6率1.35 PR8.18
　島本浩也35登4勝2敗0S15H26.2回 責5率1.69 PR4.44
　及川雅貴33登3勝1敗0S7H36.1回 責9率2.23 PR3.88
　桐敷拓馬27登2勝0敗0S14H40.1回 責8率1.79 PR6.27

短期決戦で“使える投手”は誰になるか

　オリックスは無双のエース山本に加え、左腕の宮城、山﨑福、田嶋、新鋭の山下、さらには東とタイプの違う一線級の先発投手陣で圧倒。救援陣も快速球の山﨑颯、安定感のある阿部、フォークが冴える宇田川、多彩な球種の小木田、先発から転向した山岡と充実。ここから平野につないで圧勝した。ポストシーズンは山下は投げないが、あとは万全だ。

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