《広島ドラフト1位》出身は大分“偏差値68”の公立進学校、大学まで全国大会出場なし…ベテラン記者が見た青学大・常廣羽也斗「ホントの素顔」

　青山学院大・常廣羽也斗投手（180㎝74kg・右投右打・大分舞鶴高）を神宮のマウンドで初めて見たのは、昨年の春。常廣羽也斗、3年生・春のリーグ戦だった。

　中央大を相手に5回まで7対7の乱戦に、その5回からリリーフのマウンドに上がると、そこからの延長10回までのおよそ6イニングを2安打6奪三振の無失点に抑えた。

　チームはサヨナラ負けを喫したものの、試合が壊れそうな前半の展開を受けて、荒れた試合の流れに巻き込まれない「強さ」が伝わってきた。

ドラフトで競合の末、1位で広島から指名を受けた青学大の常廣　©JIJI PRESS

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　正直、意外だった。

　逞しい体躯の投手の多い東都六大学では珍しい、薄手のユニフォーム姿。スラリとしたシルエットの立ち姿に、「この投手で大丈夫かな」とも思ったほどのひ弱さすら感じた第一印象だったが、実際のピッチングはまるで逆。

　全身のしなやかな連動で投げ下ろす投球フォームから、右打者の外角低目に150キロ前後の速球をビシビシきめて、落差の大きなナックルカーブも、速球の軌道からスッと沈むフォークも、しっかりコントロールできている。

スカウトは昨年から「上位どころじゃない…1位候補」

「どこに、こんなピッチャーがいたんだ……」

　甲子園の常連校と称される強豪校から進んだ投手たちが何人もいる青山学院大に、野球よりむしろラグビーの強豪として知られる大分の進学校からやって来たこの右腕。

　そばで観戦していたスカウトの方に、「来年のドラフト上位候補ですね」と投げかけたら、

「去年、エースの森（圭名・投手・現三菱重工East）の練習を見に行った時、ブルペンの隣で投げていたのが常廣ですよ。『ええーっ、こっちのほうがずっといいじゃないか！』って驚いた。上位候補ところじゃない。立派なスーパー1位候補ですよ」

　力の入り方が、ハンパではなかったことを思い出す。

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