よく打って（チーム得点2位）、よく走った（チーム盗塁数ダントツ1位）今季の楽天イーグルス。それでもBクラスに甘んじたのは、チーム防御率リーグワースト（3.52）の投手陣にその責があった。

　そこで、2位からは即戦力とおぼしき右腕、左腕を獲りまくった。

　2位・石原勇輝と4位・蒔田稔は明治大のなかよしコンビだ。練習も、日常も、いつも一緒の2人が同じ楽天で来年からも腕を振るのだから、よっぽど固い縁なのだろう。 

　首を振って投げなくなって、劇的に球筋が安定。後半まで試合を作れるようになった石原投手。145キロ前後の速球と110キロ弱のカーブを軸に、中間球のチェンジアップが「魔球」に近い威力。

　今秋リーグ戦、ライナーが頭を直撃でも平然と投げ続けた蒔田投手の心身の強靭さ。スピードより速球の強さが光り、タテのカーブの落差とスピード感に、投球フォームまで、大先輩・柳裕也投手そのものだ。

　その明治大コンビに挟まる格好で3位指名されたのが、竹田祐投手（三菱重工West）だ。

　おそらく、世にある「変化球」はすべて投げられるはず。そのそれぞれに、少しずつさじ加減を加えて、変化に変化をつけ、それが冴えた日には手がつけられない。社会人2年の間にエース格で投げまくって、引き出しの数も増え、今が「旬」だろう。

楽天5位は「銀仁朗」ならぬ「銀次郎」…！

　5位・平元銀次郎投手（日本通運）は、今年の楽天の隠し玉だ。

　炭谷銀仁朗去って、平元銀次郎来たれり。同じ広陵高出身だから、2位・石原投手とは2年先輩。長いリーチをしならせて、スリークォーター気味の投球はリリースが見にくく、打ちにくさで勝負。リリーフ陣に左腕枯渇の現状で、春から戦力になれる存在だ。

　ヒジの故障による3年時のブランクがなかったら、大山凌投手（東日本国際大）は上位指名の一角を占めていてもおかしくない実力派。

　下級生時から、藤木豊監督が「モノが違い過ぎる」と太鼓判だった快速球右腕。ホームベース上でも回転がほどけず、むしろ加速度を感じるような圧倒的球威の145キロ前後。本格派の素材として、東北学生球界No.1と判断した今ドラフト唯一の「地元枠」だ。

＜DeNA・ロッテ・広島編へ続く＞