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エディー・ジョーンズ「期待を背負う日本はホントにタイヘン。でも、やるしかない」…躍進のカギを握るのは“ピッチへの適応と一貫性”

posted2023/09/10 11:11

 
エディー・ジョーンズ「期待を背負う日本はホントにタイヘン。でも、やるしかない」…躍進のカギを握るのは“ピッチへの適応と一貫性”<Number Web> photograph by Miho Watanabe

ラグビー日本代表について「対戦相手に警戒されるなかで、これまで以上の期待を背負う。これはホントにタイヘン」と語るエディー・ジョーンズ

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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Miho Watanabe

2023年のラグビーW杯が、ついに幕を開けた。2大会連続の躍進を誓うジェイミー・ジャパンは、難敵揃いのプールDを勝ち抜くことができるのか。2015年に日本を「ブライトンの奇跡」へと導いた名将エディー・ジョーンズ(現オーストラリア代表ヘッドコーチ)が大会を展望する。(全2回の2回目/前編へ)

「これまで以上の期待を背負う。ホントにタイヘン」

 2015年のW杯で、日本は南アフリカを退ける世紀のアップセットを演じた。直後のスコットランド戦こそ落としたものの、サモアとアメリカを連破して過去最高の3勝1敗で大会を終えた。

 自国開催となった19年は、ロシア、アイルランド、サモア、スコットランドとのプールステージを4戦全勝で突破する。準々決勝では優勝した南アフリカに力の差を見せつけられたが、堂々のベスト8入りだった。

 15年のW杯で日本代表を率いたエディー・ジョーンズは言う。

「日本はマークされる立場になりました。それは間違いないです。これまでよりも良い準備をして、W杯に臨まなければ。それから、これまでは期待されなかったか、小さな期待のなかで戦っていた。今回は期待があるなかでの戦いでしょう。対戦相手に警戒されるなかで、これまで以上の期待を背負う。これはホントにタイヘンね。でも、やるしかない」

 日本はプールステージでチリ、イングランド、サモア、アルゼンチンの順に対戦する。W杯初出場でランキング下位のチリには、絶対に勝たなければならない。イングランドはプールステージ首位通過の有力国だが、主将のオーウェン・ファレルが日本戦は出場停止だ。チームも23年は3勝6敗と調子を落としている。勝つチャンスはありそうだ。

 次のサモア戦は、2位以内確保へのサバイバルマッチだ。7月のテストマッチで22対24と惜敗した──リーチマイケルが前半のうちに退場し、14対15で戦った影響はあったが──相手を退けることで、アルゼンチンとのプールステージ最終戦へつなげたい。

「W杯で勝ち上がるためには、フォーカスしなければいけないゲームは必ずあります。そのゲームに勝つことによって、その先が切り開かれる。日本がどの試合にフォーカスするのかは分かりませんが、私から言えることがあるとすれば、選手は勝つためのメンタリティを持ち、自分たちのスタイルを表現する自信と勇気を持つことです」

【次ページ】 ホームではないフランスの空気をどう変えるか

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