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「令和闘魂三銃士」と命名された男たちの反発「全然納得できないし、ピンとこない」…海野翔太と成田蓮と辻陽太、『G1』で抜け出すのは誰なのか?

posted2023/07/19 17:01

 
「令和闘魂三銃士」と命名された男たちの反発「全然納得できないし、ピンとこない」…海野翔太と成田蓮と辻陽太、『G1』で抜け出すのは誰なのか?<Number Web> photograph by Essei Hara

『G1 CLIMAX 33』開幕戦で「アイツだけには負けたくない」とライバル心をむき出しにする成田蓮と海野翔太。7月15日、北海きたえーる

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原悦生

原悦生Essei Hara

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Essei Hara

 新日本プロレスの真夏の最強戦士決定戦『G1 CLIMAX 33』は7月15日、札幌の北海きたえーるで開幕したが、「令和闘魂三銃士」というフレーズが物議を呼んでいる。これは新日本プロレスが6月30日に発表したもので、発案者は新日本プロレスの木谷高明オーナーだ。

大きな反発を招いた「令和闘魂三銃士」

「令和闘魂三銃士」というのは海野翔太、成田蓮、辻陽太の3人のことだが、突如の命名によってちょっとした“論争”が起きた。3選手ともこれを受け入れない姿勢で、辻に至っては、即座に露骨な不快感を示して「脱退表明」をする始末だった。ただ「脱退」とは言っても、これはユニットではないから拒否したというだけだ。

 かつて定着した「闘魂三銃士」こと武藤敬司、蝶野正洋、橋本真也も、もちろんユニットではない。むしろライバルだ。アントニオ猪木の思い付きでそう呼ばれるようになってしまっただけだが、そうやって彼らは成長した。ひとくくり的な呼称を、個性の強いレスラーは嫌う。「オレが、オレが」でなければ、この世界では生き残れないからだ。

 木谷オーナーは自身のネーミングに否定的なファンとレスラー双方の反応を気にしていたらしく、命名の意図を7月11日のイベントで「彼らを知らない人にわかってもらうためにやった」と説明した。

「元祖三銃士を超えてほしい期待感も、もちろんありますけど。3人でくくったりすると、『あと1人は誰だっけ?』と必ずなるんです。3人の知名度が相互作用で上がってくる。結果的には、大きな話題ができたかなと思っています」

 確かに話題作りとしては成功した形になった。アメリカのメディアでも、彼らがそう命名されたという話は掲載された。あとは注目された選手がリングでどう戦うかだろう。

 このG1では32選手が4ブロックに分かれてリーグ戦を行い、各ブロックの上位2人が8月10日の船橋アリーナで準々決勝を戦う。その後、12日の両国国技館で準決勝、13日に決勝戦というスケジュールだ。

「令和闘魂三銃士」は意図的にAブロックに割り当てられたのだろう。どんなにうまくいっても、準々決勝に進めるのは3人の内2人までだ。もちろん、1人もコマを進められないというケースもある。

【次ページ】 ヤングライオン時代からのライバル対決は引き分け

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